【プリウス ミニバン プロトタイプ発表】走り出してすぐわかる静粛性の進化

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プリウス・スペースコンセプト
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トヨタ自動車は4月下旬、『プリウス』をベースとする新型ハイブリッドミニバンを発売する。短時間ながらそのプロトタイプ『プリウス・スペースコンセプト』に試乗する機会を得た。

発進させてまず印象に残るのは、快適性の進化だ。1.8リットルエンジン+2モーターで構成されるハイブリッドパワートレインや車体の基本部分はプリウスのそれの改良版だが、エンジンノイズやロードノイズはプリウスより低減された。

とくに改善が顕著なのはエンジンノイズ。ノーマルプリウスを知っているユーザーならエンジンがかかった瞬間だけでも、かなり静かになったと感じられるであろうレベルだ。また、ノーマルプリウスはインバーターからの高周波音が結構大きく、モーターのみで静かに走っているときには耳障りに感じられることもあったが、その音もほとんど気にならなくなった。

新型ハイブリッドミニバンの開発を手がけたトヨタ車体の騒音・振動担当エンジニア、中野輝男氏は「最初に運転した瞬間から静粛性が高いと明確に感じてもらえるクルマにするということは、まさに我々が狙ったものの一つです」と語る。

「たとえばエンジンルームと車内の間の隔壁に取り付ける遮音材。グレード高いものを効果的に配置することで、重量増をなるべく抑えながらパワートレインのノイズを抑制しました。ボディ側も防音・防振を意識した設計となっていて、ロードノイズや風切り音はかなり減らせたと思っています」(中野氏)

中野氏は現行のトヨタ製ミドルクラスミニバンのユーザーだが、新型ハイブリッドミニバンがデビューしたあかつきには、乗り換えたいと考えているという。そのさいハードルとなるのが、家族の了承。

「個人的な話なのですが、試乗の時、大人に比べ聴覚の鋭い子供が『すごく静か』と言うくらいの仕立てにしたかったんです。ノイズは何かを減らせば別の音が目立ったりと本当に難しいのですが、自分で納得が行くよう時間とコストの限界までノイズ低減を頑張りました。きっと買い替えのOKも出るでしょう」(中野氏)

プリウスと基本的に同クラスながら、快適性では格上となる新型ハイブリッドミニバン。発売のあかつきには、ディーラー試乗などでその仕立てをぜひ体感しておきたいところだ。

《井元康一郎》

井元康一郎

井元康一郎 鹿児島出身。大学卒業後、パイプオルガン奏者、高校教員、娯楽誌記者、経済誌記者などを経て独立。自動車、宇宙航空、電機、化学、映画、音楽、楽器などをフィールドに、取材・執筆活動を行っている。 著書に『プリウスvsインサイト』(小学館)、『レクサス─トヨタは世界的ブランドを打ち出せるのか』(プレジデント社)がある。

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