気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2011年1月18日付
●産業スパイ機密伏せ裁判、経産省法改正へ、告発促し摘発強化(読売・1面)
●経団連定昇を容認、春闘賃上げ1%上げは難色(読売・2面)
●景気判断7地域悪化、日銀報告エコ特需の反動鮮明(読売・9面)
●辺野古V字案で調整、沖合移動も検討(朝日・1面)
●海江田経産相、TPPに意欲(毎日・6面)
●大雪で工場停止相次ぐ、トヨタやスズキ、部品供給に影響(毎日・7面)
●ニッポン再生突破口を探る、安全な車へ地球12周「衝突回避」実用化(毎日・7面)
●賃金月額1000円上げ 日産労組が要求へ(産経・10面)
●ETC 80回すり抜け、容疑で逮捕、僧侶「お盆で忙しい」(産経・24面)
●危険運転罪で起訴、田園調布7人死傷、「高速蛇行」重視(産経・24面)
●自賠責保険、軽自動車3000円アップ、11年度改正最終案、平均11.7%引き上げ(東京・3面)
●日産リーフ登録わずか60台、予約は6000「慎重に生産」(東京・8面)
●サッカーアジア杯、岡崎ハット 日本8強(東京・21面)
●新幹線ストップ再発の懸念、障害原因不明のまま(東京・27面)
●ソニー、医療分野拡大、内視鏡カメラを開発、20兆円機器市場開拓(日経・1面)
●賃上げ要求、トヨタ労組見送り、春季労使交渉、2年連続(日経・1面)
●時価総額 世界の上位1000社、サムスン、トヨタに迫る(日経・1面)
●電気自動車の安全基準、アジアで官民会議、国交省、国際標準へ日本勢後押し(日経・5面)
●三菱自、日産「フーガ」OEM調達、上級セダン、6年ぶり国内販売(日経・12面)
●ブランド別、中国の車販売、日本勢、トップ10から転落(日経・12面)
ひとくちコメント
東海地方などで大雪による影響が、自動車の生産活動をダウンさせるなど各方面に広がっているそうだ。トヨタ自動車は17日夕から、愛知県内11工場の生産を中止。スズキも、部品輸送の遅れや従業員の安全確保のため、静岡県内の3つの四輪工場の操業を朝から中止した。さらに、二輪車を生産する豊川工場でも午前中の操業を見送ったという。
三菱自動車も名古屋製作所と子会社のパジェロ製造で従業員の出勤に影響が出たため、17日の操業時間を最大2時間遅らせほか、ヤマハ発動機の本社工場の一部でも操業開始が3時間程度遅れたという。
きょうの各紙にも「大雪、ライン止める」(東京)などと、1面などで大きく報じているが、雪によるトヨタの国内生産中止は2005年12月以来5年ぶりだそうだ。トヨタは、コストを抑えるため部品を必要分だけ供給させ、在庫を極力少なくする生産方式の「ジャスト・イン・タイム」を導入しているが、「それが裏目に出た」(産経)とみられる。
トヨタなどの操業停止はいわゆる「天災」による影響のようだが、昨日のJR東日本などの新幹線が長時間にわたりストップしたのは大雪の東海地方を除くと運行管理システム障害によるトラブルで、こちらは「人災」といわざるを得ない。そのシステム障害についても「原因はわからないまま」(読売)と聞く。手作業よりもコンピュータに頼りすぎた弊害との指摘もある。
今年は卯年、年中忙しく飛び跳ねて福を招くことを祈願した人も多いことだろう。動いているものが突然止まれば、リズムは狂う。販売不振の自動車は“在庫調整”も兼ねるので大きな支障はなさそうだが、産経が伝えるように昨日も8万人以上に影響が出た「よく止まる新幹線」ではウンザリする。