「JAF Grand Prix SUPER GT & Formula NIPPON FUJI SPRINT CUP 2010」は、14日、大会最終日を迎え、GT500、GT300、フォーミュラ・ニッポンの各部門でJAF GPタイトル獲得者が決定した。
大会3日間ともドライコンディションに恵まれた富士スピードウェイ。前日同様に22周、約100kmの“決勝レース2”を各部門別に行ない、20年ぶりに復活したJAF GPの行方を決めるファイナルデイの午後も、まずはFニッポンから。ポールスタートのアンドレ・ロッテラー(トムス・トヨタ)が、前日に続く連勝を独走で飾り、完全優勝でFニッポン部門のJAF GP獲得を決めた。
ロッテラーは今回の新機軸の大会を「ドライバーやチームには(忙しくて)難しい面もあったけど、ファンのみんなに“お返し”をしたいと考えていたので、よかったと思う」と締めくくった。2レース完全制覇で獲得賞金も600万円と、3日間の大会として考えればかなりビッグなものに。
レース2の2位は新人・山本尚貴(ナカジマ・ホンダ)で、シリーズ戦を通じても初の表彰台獲得。「シーズンの最後に、シリーズ最終戦で予選3位を、そして今日表彰台を獲得して、目標を達成できました」と喜びを語っている。3位には井出有治(ムゲン・ホンダ)が入り、苦戦続きだったシリーズ戦の悔しさを晴らす格好となった。
続いてGT300のレース2。この日もスタンディングスタートの成否が注目されたが、フロントローの2台(ARTAガライヤとマッハ号ヴィーマック)が反則スタートを取られるという“波乱”に。優勝は、これまた連勝となるフェラーリ(JIMGAINER DIXCEL DUNLOP F430)で、レース後半にフェアレディZ勢2台を下して勝利した田中哲也が、前日勝った平中克幸とともにGT300部門のJAF GPを獲得した。「平中が勝っていたので、プレッシャーありましたね。そのなかで勝てて嬉しいし、ホッとしています」と田中。
そして大トリはGT500のレース2。「8年ぶりのスタンディングスタートでしたが、きれいに決めることができました」と言う伊藤大輔(ENEOS SC430/チームルマン)が、2番グリッドから好ダッシュで首位に立って逃げる。最後は同じレクサスの大嶋和也(MJ KRAFT SC430)に迫られるも、逃げ切って勝利。
GT500の総合部門は、レース1優勝のZENT CERUMO SC430と伊藤組が同点で並んだが、入賞できなかった方のレースの順位が上だった伊藤&ビヨン・ビルドハイムに軍配、JAF GPを獲得した。
午前中に行なわれた“偉大なるOB戦”=「レジェンドカップ」のレース2(6周に周回数変更)では、トップ独走の最年少レジェンド・高木虎之介(36歳)が最後に自主的スローダウン! 後方で熱いバトルを演じていた3人の先輩たちに表彰台を譲るかたちとなり、今回唯一の外国人レジェンド、ジェフ・リース(59歳)が優勝を飾った。
2レース合計得点では、前日優勝の影山正彦がこの日も2位で最多得点者となり、レジェンドカップ初代王者に輝いている。
ビッグタイトル復活&新趣向イベント初開催ということで話題を集めた大会は、来季以降の日本モータースポーツ界のさらなる発展につながる期待とともに、夕闇のホームストレート上でのグランドフィナーレで幕を降ろした。なお、参戦全ドライバーを出身地別に東西に分けての東西対抗は、東軍が勝利を収めている。