気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2010年10月18日付
●中国また反日デモ、四川省錦陽 一部暴徒化、日本車破壊(読売・1面)
●七転八起:志賀俊之・日産自動車最高執行責任者、市場熱意で育てる(読売・9面)
●オレンジの雄姿に万歳、中央線豊田→松本ラストラン(朝日・25面)
●世変えるシェールガス、消費国の米欧で産出(毎日・1面)
●コンパクトSUV発売、フォード・ジャパン(毎日・8面)
●モトクロスで5人負傷、茨城、コース外れ観客の中に(毎日・27面)
●小型モーター事業、三洋電機が売却へ(産経・8面)
●日立、先端電池で提携、バッテリー世界最大手と、車用、幅広く供給(日経・1面)
ひとくちコメント
自力再建中の米フォードが30年以上も筆頭株主として保有していたマツダ株の大半を手放す方針を固めたという。日経が16日付朝刊の1面トップで報じ、各紙もその日の夕刊などで大きく取り上げている。
マツダ側は「フォードとの戦略的提携関係を継続していくことで合意しており、その関係に変化はない」として、報道を否定するのに躍起だが、今のところ肝心要のフォードや銀行筋から否定するようなコメントは届いていない。
マツダはかつて旧住友銀行が経営を支配していたが、フォードは1979年に25%出資しマツダの筆頭株主になって以降、96年には出資比率を33.4%まで上げてフォードから社長を派遣するなどグループの傘下に入れた。しかし、経営が悪化したフォードは08年、マツダ株を一部売却、出資比率が11%に低下した。今回の追加売却で出資比率は3%程度まで下がる見通しである。
今後の焦点は、フォードに代わるマツダの新たなパートナー。筆頭株主としてメインバンクの三井住友銀行が有力視されているが、銀行は資金調達面や提携先探しの仲介役にはなっても新車開発などの手助けにはならない。マツダは環境技術の開発などで出遅れ感が指摘されており、単独で生き残るのは難しく、新たな提携先を探す必要がある。トヨタ自動車はハイブリッド技術を供給することで合意しているが、マツダの経営全般まで支援する余裕があるのかどうかも注目だ。
マツダは今週20日には、山内孝社長が出席して「次世代技術説明会」を開催する。環境に優しいアイドリングストップの新技術などをお披露目するとみられるが、フォード離れの影響で経営面まで“一時停止”するようではシャレにもならない。