F1日本グランプリのプレゼンターとしてセバスチャン・ベッテル(レッドブル)優勝に立ち会った馬淵澄夫国交相を10日午後6時、三重県津市なぎさまちの「津エアポートライン」で直撃した。
「小林可夢偉、山本左近両日本選手のテクニック、抜き去る時のエキサイティングな迫力に興奮しました」
馬淵氏はF1日本グランプリのプレゼンターを務めた後、鈴鹿サーキットから海路で中部国際空港へ向かうため、高速船出発前のロビーにいた。
文部科学省がスポーツという立場で、レースに文部科学大臣杯を贈ることはあったが、公道走行で監督官庁となる国土交通大臣が関与するのは、世界選手権クラスのモータースポーツでは初めてのことだ。馬淵氏にはいつもの公務とは違った高揚感と柔らかさがあった。
日本グランプリでのプレゼンター構想は、観光立国を目指す国内成長戦略の一つとして外国人観光客を呼び込む施策の一つとして打ち出された。この日本グランプリで国土交通省は、初めて後援に名前を連ねた。
「鈴鹿サーキットのみなさんともお話をしたのですが、F1という世界的にもステイタスの高いレースを20年も、日本国内で続けているわけですから、しっかりその位置づけを打ち出していきたい」
イベント興業ともスポーツとも判別されないどっちつかずの存在が、国交大臣の臨席で変わる可能性が期待される。幅広く親しみやすいスポーツイベントに変貌することは、国内のモータースポーツ関係者やファンにとっても、待ち望まれていたことだ。
「プレゼンターとして優勝カップをお渡しして、まず一歩となった。今後も質の高いイベントしてアピールできるように後援していきたい」と、言及した。
シリーズ終了後には、観光庁スポーツ観光マイスターとなった小林選手が、外国人観光客誘致に一役買う機会もありそうだ。
「テレビでは見ていたが観戦は初めて」という馬淵氏。決勝スタート直後からグランドスタンドに姿を見せ「全世界から注目されるステイタスの高さを実感した」と、話した。