なぜタイヤ交換後に差が出るのか? バランス調整だけでは足りない理由~カスタムHOW TO~

なぜタイヤ交換後に差が出るのか? バランス調整だけでは足りない理由~カスタムHOW TO~
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タイヤとホイールを組む際に重要なのは重量バランスと真円性の調整だ。ハンドルの振動や乗り心地の悪化を防ぐには、単なるバランス調整だけでなく軽点合わせや位相合わせまで理解しておきたい。

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◆タイヤとホイールのバランス調整が重要な理由

タイヤとホイールを組むとき、多くの人が意識するのはホイールバランスだ。しかし実際には、バランス調整だけでなくタイヤとホイールの位置関係を整える作業も重要になる。ここが適切でないと、走行中にハンドルが震えたり、車体に微細な振動が出たりして、乗り心地や高速安定性に影響することがある。

タイヤはスチールベルトやゴムなど複数の素材で作られており、ベルトの合わせ目などの影響で、どうしても重い部分と軽い部分が生まれる。タイヤメーカーはできる限り均一になるよう製造しているが、完全に均一にすることは難しい。そこで多くのタイヤには、もっとも軽い位置を示す軽点として黄色いマークが付けられている。

一方のホイールも、できるだけ均一な重量になるよう製造されているが、こちらも完全な均一にはならない。特にエアバルブが付くことで、その周辺が重くなりやすい。そこでタイヤを組む際は、タイヤの軽点とホイールバルブの位置を合わせるのが基本とされている。

これは、ホイール側の重い部分とタイヤ側の軽い部分を重ねることで、全体の重量バランスを取りやすくするためだ。タイヤ交換や新品装着の現場では広く使われている基本だが、実際には必ずしもバルブ位置が最適解とは限らない。

◆軽点合わせの基本とズラして組むケース

本来であれば、バルブ位置と軽点を合わせて組むのがもっとも合理的に思える。しかしホイールによっては、もっとも重い位置が必ずしもバルブ位置とは限らない。製造時のわずかな個体差によって、別の位置が重くなっている場合もあるからだ。

そのため、バルブと軽点を合わせても調整用ウエイトを大量に貼らなければならないことがある。その場合は、あえて軽点位置をズラして組み付けるケースもある。

具体的には、先にホイール単体をバランサーで回して重量バランスを確認し、そのうえでタイヤの軽点位置を変えながら組み込む。こうすることで、結果的にウエイト量を抑えられ、全体としてより良いバランスに仕上がることがある。

軽点合わせのメリット

・調整ウエイトを減らしやすい
・ハンドル振動の低減につながる
・高速走行時の安定感を得やすい

軽点合わせの注意点

・バルブ位置が常に正解とは限らない
・ホイールごとの個体差を見極める必要がある
・作業者の知識と設備によって仕上がり差が出る

◆位相合わせで真円性を追い込む意味

さらにこだわる場合は、真円性まで追い込んで組むことがある。ホイールもタイヤも非常に高精度に作られているが、どちらも完全な真円ではない。そのため、組み付けてバランサーを回した際に、タイヤが上下方向にわずかに振れることがある。

この振れはごく小さなものなので、通常使用では気にならないケースも多い。ただし、車種やタイヤサイズ、走行速度、足まわりのセッティングによっては、そのわずかな差が乗り心地や転がり感に影響することがある。

そこで行われるのが位相合わせだ。これは、タイヤとホイールを組んで回し、振れの状態を確認し、一度ビードを落として別の位置で組み直し、再び回して確認する作業を繰り返す方法である。そうして、できるだけ真円に近い状態へ追い込んでいく。

位相合わせが決まると、クルマがスーッと滑らかに転がるような感触が得られることがある。タイヤの上下振れが減ることで、微振動が抑えられ、乗り心地の改善にもつながる。

◆位相合わせのデメリットと依頼時の注意点

位相合わせは効果が期待できる半面、誰でも気軽に依頼できる作業ではない。理由は明確で、1本ごとに多くの時間と手間がかかるからだ。4本まとめて短時間で終わる一般的なタイヤ交換作業とは性質が異なり、専門店のオプション作業として扱われることが多い。

デメリットとしては、次の点が挙げられる。

・作業時間が長い
・工賃が高くなりやすい
・店舗によって対応可否が分かれる
・効果の体感差には個人差がある

そのため、街乗り中心でコスト重視なら通常のバランス調整でも十分な場合が多い。一方で、高速走行が多いクルマ、乗り心地にこだわるクルマ、タイヤやホイールの性能をできるだけ引き出したいユーザーには、検討する価値がある。

◆ハブリングがホイール装着で重要な理由

ここまでこだわるなら、ホイール装着時にはハブリングも意識したい。純正ホイールの多くは、ホイール中心のハブ穴が車両側ハブにぴったり合う設計になっており、ホイールの中心が正確に出るようになっている。

しかしアフターパーツのホイールは、さまざまな車種に対応できるよう、ホイール側のセンターボアを大きめに設計していることが多い。この状態でも装着自体は可能だが、センターが出にくくなる場合があり、振動や取り付け精度に影響することがある。

そこで使いたいのがハブリングだ。ハブリングを装着すれば、ホイール側の穴径と車両側ハブ径の差を埋められ、ホイールを中心で正確に取り付けやすくなる。量販店で購入できる既製品もあるが、より精度を求めて専用品やワンオフ品を用意するショップもある。

◆バランス調整と位相合わせの違いを理解して選ぶ

タイヤとホイールの組み付けでは、単純なホイールバランス調整だけでなく、軽点合わせ、位相合わせ、さらにハブリングによるセンター出しまで含めて考えると、仕上がりは大きく変わる。

比較すると、それぞれの役割は次の通りだ。

・バランス調整
重量の偏りを補正し、走行中の振動を抑える基本作業

・軽点合わせ
タイヤとホイールの重さの偏りを合わせて、効率よくバランスを整える方法

・位相合わせ
真円性を追い込み、上下振れを減らして滑らかな転がりを目指す作業

・ハブリング
ホイールのセンターを正しく出し、装着精度を高めるための部品

タイヤ交換をただの消耗品交換で終わらせるのではなく、走行フィールまで整えたいなら、こうした作業の違いを知っておく価値は大きい。快適性や安定性にこだわるなら、信頼できる専門ショップに相談し、自分の使い方に合った組み付け方法を選ぶのが理想だ。

《加茂新》

加茂新

加茂新|チューニングカーライター チューニング雑誌を編集長含め丸15年製作して独立。その間、乗り継いたチューニングカーは、AE86(現在所有)/180SX/S15/SCP10/86前期/86後期/GR86(現在所有)/ZC33S(現在所有)。自分のカラダやフィーリング、使う用途に合わせてチューニングすることで、もっと乗りやすく楽しくなるカーライフの世界を紹介。

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