ホンダは、2001年から02年に製造された米国向け『アコード』や『シビック』などで、運転席用SRSエアバッグの不具合のリコールを日米市場で実施すると発表した。対象モデルは他の国・地域でも同様の措置を行う予定で、対象台数は全世界43万7763台。
2008年11月、09年6月に北米や日本でリコール届け出た合計51万4355台のリコールに追加するもの。前回のリコール届出以降、今回拡大する対象範囲内での事故は報告されていないとしている。日系自動車メーカーの相次ぐ大型リコールに、品質の高さからシェアを伸ばしてきた日本車神話は崩壊寸前だ。
今回のリコールでは運転席用SRSエアバッグに装着されたインフレータ(膨張装置)内のガス発生剤に不適切なものがあるため、事故などによりエアバッグが展開した場合、インフレータ内圧の急激な上昇で容器が破損して構成部品が飛散し、乗員が負傷する可能性がある。
同社は07年2月以降に米国市場で発生したエアバッグの不具合事象に基づき調査を行った結果、原因はインフレータ内のガス発生剤の過度な吸湿であると判断して米国・カナダでリコールを届け出た。その後、最初のリコー対象外からも不具合事象が発生したことから、さらに解析を行い、今後の同事象の発生を防ぐために対象範囲を拡大し、2009年6月に米国やカナダなどで2回目のリコール、日本では7月29日に初めてリコールを届け出た。
さらに調査を継続した結果、ガス発生剤を製造する際のプレス加圧力が不足した場合に不具合が発生する可能性があることが分かり、特定のガス発生剤成型設備で加圧力管理が不十分であったことが原因と判明したため、追加のリコールを届け出た。対象は米国向けアコードやシビック、日本向けの『インスパイア』などで、米国37万8758台、カナダが4万1685台、日本が4042台、その他1万3278台。