理屈はともかく、『プリウス プラグインHV』に試乗した印象は「かなりEVで走るのね!」だった。EVのカタログデータは、航続距離23.4km、最高速度100km/h、JC08モードで57.0km/リットルの超低燃費を叩き出す。
出発地点で充電完了、街中を抜け、流れのいい首都高速に乗り、目的地を目指す。雑踏まみれの現実世界では、モーター走行の静けさはわかりにくかったが、表示によれば、15.7kmの試乗行程中、EV走行の割合は実に91%(残り9%はHV走行)。
アクセルワークの手加減は一切せず、走り(加速など)にも不満は覚えなかった。途中、あえてアクセルを踏み込み、エンジン始動を確認したほど。
コレならば“人力”とのハイブリッドが原則の家庭の電動アシスト自転車以上、ご近所の買い物など日常使いなら、ほぼ電気自動車状態でこなせそう。現状ではバッテリーの重量増分(+140kg)も、ベース車以上のスムースな乗り味に貢献している……とさえ好感がもてた。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年より『GOLD CARトップ・ニューカー速報』の取材/執筆を皮切りにフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。