気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2010年1月26日付
●車国内生産3割減、095年過去最大の落ち込み(読売・1面)
●新幹線リニア技術輸出、JR東海表明、米中心に受注活動(読売・9面)
●スズキ・VW、世界販売首位(朝日・9面)
●自動車新時代・競争の進路:中 環境車、業界乱世の芽(朝日・9面)
●欧州でも200万台、トヨタリコール検討(毎日・1面)
●HV「人工音」時速20km以下に、国交省ガイドライン(産経・20面)
●KDDI、CATV最大手を傘下に、JCOMに3617億円、高速通信、全国で(日経・1面)
●自動車中国シフト進む、09年8社生産、初めて米超す、日産、販売で日本抜く(日経・3面)
ひとくちコメント
2009年の世界自動車販売台数が公表された。
ダイハツ工業、日野自動車を含むトヨタ自動車グループは781万3000台(前年比12.9%減)に対し、スズキの世界販売は230万7000台(同2%減)で、資本・業務提携したばかりの独フォルクスワーゲン(VW)グループの約629万台(同1.1%増)と合算すると約860万台に達し、トヨタグループを抜いて世界首位に躍り出たという。
米GMの09年実績はまだ発表されていないが、25日付の一部夕刊が報じたのに続き、きょうも朝日、毎日などが大きく取り上げている。08年にトヨタは米GMを抜いて悲願だった世界一の座を獲得したが、スズキ・VWの新連合にわずか1年で追い抜かれたことになる。
09年6月末、「ドン底」の中を船出したトヨタの豊田章男社長は「世界一」にはこだわらず、身の丈に見合った「良品廉価」を重視するという原点に戻ることで経営を立て直す方針を強調した。「一番でなくてもいい」とわざわざ公言する経営者も珍しいが、その意味では今回、首位を明け渡したことで少しは肩の重荷が降りたようにも思える。
しかし、欧米市場を中心に大量リコールが発生しており、品質面を軽視した拡大路線のツケを一掃するにはもうしばらく時間がかかりそうだ。