合計5件の会議をこなした夜の11時過ぎ。都内の道をレクサス『IS250C』をオープンにして走っていたら、このクルマが正真正銘欲しくなった。
エンジンの、というかクルマの自己主張をほとんど感じないレクサス独特の上質さと、吹き抜ける夜風と街の喧噪のハーモニーがとても心地よい。IS250Cは暑苦しくない上品なオープンカーであり、そこがとても魅力的なのだ。仕事と生活を楽しみたいビジネスパーソンにとって、これほど魅力的で贅沢なクルマはないと思う。
もちろん、クルマそのものの出来映えもよい。目玉のメタルトップルーフは約20秒で開閉可能であり、動きもスムーズで静か。ただし、停車時ではないと開閉できないので、信号待ち中の操作はやめた方がいい。筆者はそれを都心部の交差点でやって恥をかいたから。次期モデルではせめて時速10Kmくらいまでは開閉時の動作を許容してもらいたいところだ。
クルマの動きはレクサスらしい穏やかなもので、これもまた心地よいドライブフィールを与えてくれる。これは考えごとをしながら運転するといったシチュエーションに最適であり、北米のエグゼクティブにレクサスが受ける要因のひとつだろう。IS250Cは、このレクサスらしいユーザー体験に、オープンがプラスαのエンタテイメントとして付加されている。
レクサスIS250Cはクルマ好きよりも、ビジネスとプライベートの両方で充実した生活を送っている人にお奨めしたいクルマだ。
■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★★
神尾寿│通信・ITSジャーナリスト
学生時代にIT専門誌で契約ライターをし、その後、大手携帯電話会社の新ビジネス企画担当などを経て、1999年にジャーナリストとして独立。ウェブ媒体やビジネス誌、新聞各紙を中心に執筆する。通信およびインターネット、ITS、次世代交通システムなどの分野で、技術および市場動向の取材、ユーザーニーズの分析を行っている。21世紀の交通社会に向けたクルマの進化、安全および環境分野での先進技術/サービスの開発・普及と、利用促進に向けた取り組みを重視している。2008年からCOTY選考委員。