2009年シーズンの幕開けとなるオーストラリアGP決勝が29日メルボルンで行われ、元ホンダの資産を引き継いだ新生チームであるブラウンGPがポール・トゥ・ウィンの快挙を達成した。
わずか3週間前に正式に船出したチームはテスト不足をもろともしないパフォーマンスで、前日に行われた予選から速さを発揮してフロントロウを独占。ポールポジションのジェンソン・バトンはスタートを落ち着いて制した後は安定した走りでポジションを守りきり、自身3年ぶりとなる優勝。チームのデビュー戦ポール・トゥ・ウィンは55年ぶりという快挙を成し遂げた。
開幕戦の例に漏れず今年のオーストラリアGPも波乱の展開。スタート直後の1コーナーで多重クラッシュがあった後は、一時は5位を走行する好調さを見せていたウィリアムズの中嶋一貴が単独スピンを喫してリタイア。順位が確定したと思われた残り3周では、2位争いをしていたセバスチャン・ベッテル(レッドブル)とロバート・クビサ(BMWザウバー)が激しく接触するというハプニングも発生。セーフティーカーも2度出動した。
ベッテル、クビサの脱落により、2番グリッドながらスタートで出遅れたルーベンス・バリチェロ(ブラウンGP)が2位に入り、ブラウンGPは1-2フィニッシュ。前日にリヤウイングが規定違反として予選タイムを抹消され、ピットスタートとしたヤルノ・トゥルーリ(トヨタ)が粘りの走りで3位表彰台を獲得した。
注目のKERSを搭載したフェラーリ、マクラーレンの2強では、唯一ルイス・ハミルトンが4位に入りポイント獲得。残りはノーポイントと苦しい開幕戦となった。第2戦マレーシアGPは1週間後に行われる。