“乗り換え”と“ナビ”をひとつのエンジンで動かす
----:ケータイナビゲーションというジャンルに目を向けると、この1年は競合するサービスが次々と出て、成長する分野である反面、激しい競争にさらされることが予想されます。他社と比較して、NAVITIMEの特徴はどこにあるとお考えでしょうか。
板橋:独自の経路検索エンジンにあると考えています。当社のエンジンは道路網と公共交通機関(ダイヤ)という異なるふたつのデータベースから成り立っているのですが、それをひとつのエンジンで動かしているという点が大きな特長です。他社は乗り換えのエンジンとカーナビや徒歩ナビのエンジン、それぞれを組み合わせてトータルナビを実現しています。ひとつのエンジンで動かしている当社は、とくに処理速度の面でアドバンテージがあると考えています。
たとえば、目的地を設定し、駅のどの入り口から入って、どこで乗り換えて、何両目の車両に乗れば、いちばん早く出口に出られるか、という案内をさせるとします。乗換と徒歩ナビそれぞれ別のエンジンを積んでていると、何十通りの経路から最短ルートを計算しなくてはなりませんから、かなり重い処理となります。NAVITIMEでは、ひとつのエンジンで処理できるので、ルート検索のリクエストを短時間で算出できます。
----:NATIVITIMEではケータイ3キャリアだけでなく、ウィルコムやイーモバイルなどにも対応アプリを出していますね。このマルチプラットフォーム戦略について教えてください。
板橋:イーモバイルやウィルコム03などのWindows Mobile搭載スマートフォンにもNAVITIMEアプリを提供するほか、ノキアN95などシンビアンOSなどにも対応します。ドライブサポーターについては4月にソフトバンク920Pで対応させていますし、Windows Vista搭載のウィルコムD4にもプリインストールします。
----:先日ソフトバンクからの発売が発表されたiPhone 3Gへの対応もおこなうのですか。
板橋:当然、対応は検討したいと考えています。
----:御社はiPod touchではブラウザ版でNAVITIMEを提供していますから、GPS搭載のiPhone 3Gアプリ版にも期待が集まります。NAVITIMEはモバイル端末の考え得る限りのプラットフォームに対応していますね。
板橋:そうですね。より多くの人に使ってもらえるようにプラットフォームを拡大しています。たとえば「キャリアを変えたら、前の端末にはあったナビタイムが新しい端末にはない」ということは避けたい。スマートフォンにしてもまだまだ市場は小さいですが、そこにコストを割いて、標準で搭載されているような環境を自らつくっていきたいと思います。
----:プラットフォームごとの採算ではない、と。
板橋:ええ。あくまでもNAVITIMEサービス全体の採算で考えています。