レクサス『LS460』の大きな美点のひとつは、高い環境性能。なかでも燃費については、徹底的なこだわりを見せている。レクサスLS460の省燃費技術の核は新型直噴V8エンジンと8速AT、およびその協調制御だ。
日本における10・15モード燃費は9.1km/リットルと、一昔前の3.0リットルクラス並みの数値だ。また、旧型モデルとなったトヨタ『セルシオ』より排気量が大きく、ボディが重くなっているにもかかわらず、旧型の数値である8.9km/リットルを上回っている。
日本市場でライバルになると思われるモデルを見まわすと、BMW『750i』(4.8リットルV8・367ps)が7.3km/リットル、メルセデスベンツ『S500』(5.4リットルV8・387ps)が6.7km/リットル、ジャガー『XJ』(4.2リットルV8・304ps)が6.9km/リットル、北米ではインフィニティ『Q45』名で売られている日産『シーマ』(4.5リットルV8・280ps)が8.0km/リットルなどとなっている。輸入車勢が10・15モード燃費を苦手としていることを差し引いても、なお相当の差をつけている。
エンジン開発を担当した旭哲治主査は、「モード燃費だけでなく、実走行での燃費向上にも気を配りました。8速ATとの相乗効果もあって、高速道や地方道の巡航燃費はセルシオよりいい。私もナンバー付きの車を運転してみましたが、高速道路ではリッター12−13kmくらい、流れのいい地方道でもリッター10km以上くらいは行きました」と語る。燃費の良さは、レクサスLS460の大きな美点となるだろう。
もちろん大排気量車ゆえ、その燃費の良さも万能というわけではない。「東京都内で渋滞が激しかったりすると、排気量の大きさがたたってリッター4−5kmという感じですが、そういう交通状況には来年発売する予定のハイブリッドモデルが有効だと思います」(旭氏)。