【D視点】F1優勝ホンダ、新型 ストリーム をデザインする

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 流行した「meanスケッチ」

ツッパリ的でちょっとワルっぽい要素を、香り付け程度に感じさせることに、アメリカ出身のデザイナー達が敏感に反応した。1990年代後半から「mean」という言葉とともに、造形アイデアが行き詰ったときの必殺技として、彼らの間で流行していた。アメリカにデザインセンターを持つ他メーカーでも、すでに「戦闘モード」とか「突っ込み感」の強調、などといった言い方で取り入れられていた。

ホンダが北米市場を最重要視していることを考えれば、このテイストを最大限取り入れたのは当然ではある。しかし、この時期以降に開発された『インスパイア』や、『オデッセイ』、『シビック』も、装い表現には凄みはあるものの、車の骨格とともに造り出される三次元的な「塊の表現」や面造形の官能的な艶やかさ、といった点でのブレークスルーは未達で、世界の競合車たちに見劣りした。

厳しく言えば、かつての急成長期のホンダは、企画、設計、デザインのそれぞれのパワーが三位一体となって、高いレベルでバランスが取れていたのであるが、「都会的」に続く次のテーマを見つけられないデザインのパワーが、他社と比べ失速気味であった。

ちなみにこの頃開発された「mean」の代表にはBMW『5シリーズ』、クライスラー『300C』、マツダ『RX-8』などがある。各車とも新しいダイナミックな面造形にチャレンジしていた。

もっとも、クルマらしい力強さとは無縁の、モダニズムがキラっと光る旧型ストリームは、東京近郊の住宅地などでは、「アンチ・クルマ好き」を含む新しいライフスタイルを指向するユーザーに、家の一部のような感覚で選ばれ、顧客を増やしていった。ニュータウン文化を象徴する車であった。それは、まさにホンダが「生活創造株式会社」(10年ほど前、広報誌などで盛んにPRしていた)であった証でもある。

《荒川健》

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