中央ホール、フォルクスワーゲングループの出展エリアの一角にあるブガッティブース。展示されているのは最高速度400km/hオーバーという超高性能車『ヴェイロン16.4』だ。これまで幾度となく世界のモーターショーに姿を見せていたが、今回の東京モーターショーに出品された“市販バージョン”は、世界初公開(ワールドプレミア)だ。
ミッドシップ搭載されるエンジンはフォルクスワーゲンお得意のW型で、シリーズ中最大となる8リットル16気筒ターボ。公称スペックは最高出力1001ps(736kW)/6000rpm、最大トルク127.5kgm(1250Nm)/2200-5500rpmで、最高速度406km/h、0-100km/h加速は2.5秒。まさにスーパーカーの王者である。
ヴェイロン16.4は世界限定300台。うち日本では15台のデリバリーを予定している。価格は1億6300万円(うち消費税776万1904円)。購入にさいしてはブガッティ本社の予約申し込み審査にパスすることが必要。また注文のさいには申込金5000万円が必要だ。デリバリーは2007年以降となる。
98年にフォルクスワーゲンがブガッティの商標権を買い取り、同ブランドを復活させた成果がついにあらわれることになるが、当のフォルクスワーゲンは業績が急速に悪化しており、ブガッティの将来は安泰というわけではない。また、今後は環境問題の深刻化などで、この手のスーパーカーの居所は次第に狭くなっていくであろう。
さまざまな意味で、ブガッティの伝統、馬蹄形のフロントグリルを持つヴェイロン16.4は、時代の徒花的な美しさをたたえている。モーターショー会場ではぜひその姿を目にしておきたい。