乗って触れる前の段階ですでに好印象を覚えた。過度にベースモデルとの違いを強調するのではなく、あくまでもさりげなく違いを静かに主張する辺りに、このクルマの意図が表現されているように思えた。
スバル『レガシィ』“チューンド・バイ・STI”。このモデルは今年のWRCジャパン開催を記念した特別仕様車。スバルはこのほかにも“WRリミテッド2005”というWRCジャパン開催記念特別仕様車を送り出すが、この“チューンド・バイ・STI”はそれよりもさらに手の入ったモデルだ。
フロントのリップスポイラーはもちろんリアのルーフスポイラーをはじめ、さりげなくカラーの違う18インチホイールなど随所に大人っぽさを感じさせる、「ノーマルとは少しだけ異なる」仕立てがある。
いっぽうインテリアでも、よく見るとノーマルとは異なる処理が施されていてよい。とくにブラックで統一されたトリム類や、レザーとアルカンタラのコンビネーションとし、ブランド・ロゴを刺繍したシートは欧州のハイパフォーマンス・モデルを思わせるようで好印象だ。こんな具合にして見た目からすでにこのクルマが、騒々しいチューンド・マシンとは一線を画していることが理解できる。
さらにメカニズムにおいては、サスペンションに専用のローダウンスプリングを与えるほか、リアサスはピロボールマウントとするなど本格的。さらにタワーバーを始め、ブレンボ社製ブレーキやステンレス製ブレーキホース、専用スポーツマフラーなども与えている。
そして嬉しいのは、このほかにも充実した専用品を与えながらも、スタート価格を400万円以下としている点だ。もし仮にこうしたパーツを後からすべて付けていこうとすれば、当然もっと割高になるわけで、こうした点でもWRCジャパン開催記念特別仕様車であることのメリットが生きているように思える。
ではそんな“チューンド・バイ・STI”を早速箱根で走らせてみることにしよう。