『インプレッサ』が誕生したのは1992年秋のことである。発表されたばかりのインプレッサWRXはすぐに英国のプロドライブ社に持ち込まれ、ラリー仕様に仕立てられた。エンジンは2リッターのEJ20型水平対向4気筒DOHCで、これに空冷インタークーラー付きターボを装着している。WRCの初陣となったのは93年だ。ニュージーランドの次の第7戦、1000湖ラリー(現・ラリー・フィンランド)に出場した。デビュー戦だったが、アリ・バタネンはアグレッシブな走りを見せ、堂々の2位入賞を飾っている。94年はコリン・マクレーと2度の世界チャンピオンに輝いたカルロス・サインツの陣容で戦った。第1戦のモンテカルロ・ラリーでサインツが3位に滑り込み、ツール・ド・コルスとラリー・アルゼンチンでも2位入賞を果している。マクレーは不調だったが、相性のいいニュージーランド・ラリーではインプレッサを初勝利に導いた。また、最終戦のRACラリーでも優勝を飾っている。95年はサインツがモンテカルロ、ポルトガル、カタルニアで優勝し、マクレーはニュージーランドとRACラリーで優勝した。インプレッサは年間5勝を挙げ、スバルが念願のマニュファクチャラーズチャンピオンに、マクレーもドライバーズタイトルを獲得する。マクレーは96年もアクロポリス、サンレモ、カタルニアで優勝し、スバルに2年連続チャンピオンの称号をもたらした。■マシンスペックエンジンタイプ:EJ20 水平対向4気筒DOHC排気量:1994cc+インタークーラー・ターボ最高出力:300ps/5500rpm最大トルク:45kgm/4000rpm駆動システム:4WDトランスミッション:6MTサスペンション:ストラットタイヤ:ピレリ全長×全幅×全高(mm):4340×1690×1405ホイールベース(mm):2520車重(kg):1200kg