振り返ればスタートがすべてだった先日のサンマリノGP。結果、ラルフ・シューマッハが5シーズン目となるF1参戦70戦目にして初優勝を果たした。もちろん、この勝利を喜んだのはラルフや兄ミハエルだけではない。
通算104勝目をゲットしたのは55戦ぶりのウィリアムズ・チーム。丸々3年以上前に103勝目をマークしたのはこの年に初ワールドチャンピオンとなったジャック・ビルヌーブだった。さらにF1復帰2年目のBMWにとっては86年のメキシコGP以来となるF1勝利。このときはベネトンBMWを駆るゲルハルト・ベルガーが通算9勝目をマーク(ちなみにタイヤはピレリだった)して以来の快挙となった。
しかし、業界的に言えば、ラルフの初優勝も、ウィリアムズの復活も、BMWの通算10勝目も、いずれ訪れるであろう……もしくは、あってもおかしくない現実的なリザルトと考えられていた。それより何より、現在のグランプリパドックで事件として捉えられているのは、ミシュランのF1復帰後初優勝が4戦目にして早くも訪れたという事に他ならないのである。