三菱ふそうトラック・バスは、大型車のリコール品質事件で、企業改革の取り組みの一環として品質に関する情報公開の強化を発表した。
大型車のリコール隠しなどが問題となっている三菱ふそうトラック・バスは、フロントとリアのハブとクラッチハウジングのリコール品質問題に関して、社員29人の社内懲戒処分を発表した。
道路運送車両法違反(虚偽報告)の罪で、横浜地検が三菱ふそう前会長、宇佐美隆容疑者ら3人と法人の三菱自動車を、業務上過失致死傷罪で三菱自元部長の村川洋容疑者ら2人を起訴した。
山口県内で死亡事故も起きた大型トラックのクラッチ系統欠陥問題で三菱自動車は、国土交通省に「整備不良も関係する極めてまれな事故」と、事実と異なる報告をしていたことがわかった。
三菱ふそうトラック・バスは26日、大型トラックの動力伝達装置に関するリコールを国土交通省に届け出た。83年6月−99年4月に生産した『ザ・グレート』、『スーパーグレート』など16万8002台。現在も走行しているのは約7万5200台という。
三菱自動車製トラックのシャフトが脱落し、ブレーキが利かなくなり男性運転手が死亡した事故で、三菱ふそうトラック・バスの藤井徹男副社長ら幹部3人が運転手の自宅(鹿児島県国分市)を訪れ、遺族に謝罪した。
三菱ふそうトラック・バスのポート社長が記者会見し、三菱自動車製トラックのクラッチ系統に欠陥があることを8年前に社内で把握しながら、充分な対策をとらず、死亡事故を引き起こした可能性があることを認めた。
三菱ふそうトラック・バスの新たな欠陥公表は、三菱グループらの協力で再建策をまとめている三菱自動車工業の行方にも影響を与えそうだ。
今回の新たな欠陥公表は、(1)対策費用の負担や事故で死亡した被害者への賠償、(2)ブランドイメージによる販売減少---の2点で、業績にも影響を与えることが予想される。
今回の欠陥は、4件すべてで「自発的な報告が先週あり、緊急調査して見つかった」という。ポート社長は「現経営陣のもとで強化されつつある、風通しの良い社風ができつつあることを示している」、「旧経営陣が去って、情報提供がしやすくなったのでないか」と、“改革ぶり”を強調してみせた。
ポート社長は「これで過去の品質に関わる欠陥はずべてか?」という質問に対し、「継続的に調査を実施しており、今後の調査しだいでは、さらに(新たな欠陥が)出てくる可能性がある」と説明した。
同社が公表した欠陥は4つ。02年10月には山口県内でトラックが左カーブを曲がりきれず衝突、運転手(39)が死亡するなど、3件の人身事故が起こっている。
三菱ふそうトラック・バスは20日、都内のホテルで会見し、「ハブ」とは別に新たな欠陥が4件見つかったと発表した。近く国土交通省にリコールを届け出る。
とある看板を会場で目にした。ハブのリコール隠しで国土交通省から告発された三菱自グループの出展中止を案内する内容。
横浜地方裁判所は17日、道路運送車両法違反(虚偽報告)の容疑で逮捕された三菱ふそうトラック・バス前会長、宇佐美隆容疑者らの拘置期間について、18日−27日までの10日間延長することを認めることを決定した。