日本でのマツダは、ことしはニューモデルがない。フランクフルトでも、ショーカーはジュネーブと同じでワールドプレミアもないという、ドイツで信頼されてきたブランドとしては寂しい内容。
欧州では乗用車でもディーゼル仕様が人気だが、排ガス浄化のためにトラック同様フィルターを装備するのが今後の流れのようだ。トヨタはフランクフルト・メッセにいちはやく『DPNR』を出展した。
ここ数回の国際モーターショーと共通イメージのスタンドを構えたプジョー。イメージ優先で、プジョーに限らず仕上げ不充分なショーカーや量産車の展示が増え、実のある取材が難しくなっている。『206SW』と『307SW』が「単なるスタディ」はないだろう。
ロールスロイスとベントレーは、いずれBMWとVWによってブランド分割されるが、フランクフルト・ショーではひとつのブースだった。イギリスが誇る伝統のブランドは、アストンマーチンとは対照的に「柵」のない展示。フォードPAGとの戦術の差だろうか。
中央に通路、それをはさむように左右にスロープ状の展示ブースを展開したポルシェ。地元ドイツのメーカーは、ファンの期待に応えて展示台数も充分。それでも、一般公開がスタートすると、お目当てのクルマのシートにはなかなか座れない人気だった。
これだけ名前が通ってしまうと、エキゾチックカーといえども「手の届く」ようなブース・レイアウトにせざるを得ないのだろう。同じホール5にはポルシェ、ランボルギーニ、マセラティ、ベントレーと高価なクルマたちがそろった。
理由はいくつかあるが、ヨーロッパではコンパクトクラスの競争が激しくなってきている。そこに満を持して投入されたのが『フィエスタ』。派生車予告の『フュージョン』も参考出品されていたが、人出は多かったものの、同時多発テロの影響か盛り上がりはイマイチ。
イタリア自動車産業を牛耳るフィアットもGM傘下になった。実態としてはアルファロメオやランチアを従える大規模メーカーなのだが、コンパクトカーのデザインではつねに世界のリーダー的存在。今回のブースは『スティーロ』がメインで、傘下のフェラーリからF1を借りてきて出品。
およそ世界中の自動車メーカーが一度は仕事を依頼したことがあるだろうカロッツェリアの代表。フランクフルトあるいはパリで、コンスタントにショーモデルを披露している。どこかのメーカーのクルマをつかって新しいデザインをショーで提案するという方法は、この会社だから許される。