試乗したのはターボ車のほうで、64psのパワーを発生するが、とんがった感じのパワフルなターボではなく、段付きのない自然な加速フィールに好感がもてる。
デザインはなかなか面白いし、それ以上に14インチになったことで段差の乗り越えや荒れた舗装路での乗り心地がよくなった。
精悍な三菱フェイスのスタイリングもなかなかいいし、シートやドア内張りなどの配色もモダンで好感が持てる。
ジャガー初のワゴンボディは、まわりがヨーロッパ車だらけの国際試乗会の場では「後ろ姿にジャガーらしさが足りないか…」と感じたが、日本で見るとまずまずのプレミアム感を演出していてひとまず納得。
高級ワゴンが愛されるイギリスなのに、なぜ今までジャガーのワゴンがなかったのか、それが不思議。
X3のAWDは1000分の1秒単位で前輪と後輪の駆動力を0〜100%まで可変制御する。また、X5に比べて前後輪へのトルクの配分が速くなり、前後輪どちらかが空転したときの脱出が容易になった。
ルノーらしく、とてもよく動くサスペンションだ。ロールの感じにフリクションはなく、とてもスムース。また、スタビリティが高いので、不安を感じない。むしろコーナーを攻めるのが楽しくなるほど。
ハッチバックではタイトだったキャビンも、ルーフが高く、空間が後ろに伸びたことで、標準サイズのクルマに。そのぶん、内装などの洒落っ気は少し後退。
床も重心も高いSUVを操る運転姿勢は、もう少しアップライトでありたい。後席は上体が後傾気味の乗用車的着座姿勢で、この種のクルマには不適切。
ダイナミクスの高さと、それをドライバーに感じさせる部分においては、日本の高級サルーンですらかなわないほど高レベル。