結論からいって、クラウンシリーズの頂点に立つ最上級モデルの域を出ていない。
『セルシオ』由来の4.3リッターV8とエアサスが与えられ、エクステリアもそれなりの演出が施されているが、ボディ骨格は『クラウン』そのもの。内装も上質感は高められているが、基本デザインに変りはない。
静かでスムーズな乗り味は、かなりの勢いでセルシオに肉薄するが、小柄な日本人にも留意したクラウン流仕立てが欧米で闘う国際ブランドとのギャップを鮮明にしてしまう。ハイテクデバイスに凝る前に、トヨタのプレミアムブランドをどう育てるか。真剣に考える時期が来ている。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★☆
インテリア/居住性:★★★★☆
パワーソース:★★★★☆
フットワーク:★★★★☆
オススメ度:★★★★☆
伏木悦郎| 自動車評論家
70年代にレースを志し富士スピードウェイで参戦。その間偶然知り合った自動車雑誌編集者にスカウトされる形で業界入り。78年から一貫してフリーランス。FRの魅力に傾倒し国産車によるコンパクトFRの再生が宿願。