「目指したのは旧アフリカツインでした」
「コンマ7mmで、これ以上細くしたら強度が足りませんし、6倍するとちょうど実車のスポークと同等の太さになります」
まもなく生産累計台数が1億台に達しようとしているホンダ『スーパーカブ』。世界中で長く愛用され、2018年には60周年を迎える。
「自分が小学生のときは嫌になっちゃって、作れませんでしたけど……」
「私ももちろん買います。模型をつくりながら、アフリカツインのパーツを開発チームのみんなと一緒に、ひとつずつ作ったことをまた思い出せる。幸せですね~」
軽快なフットワークでイメージ通りに車体を傾けられ、旋回中も思うがままにコントロールできる。この自由自在に操れるライディングフィールこそが『デューク』の真骨頂だ。
高性能で扱いやすくて燃費がいい。しかも丈夫で壊れないという魔法のエンジン。それが50年も前から当たり前すぎて、誰も気付かないほどになっていたのだと乗りながら思った。『スーパーカブ』だ! 1966年(昭和41年)製の『C50』である。
スタイリングが示すとおり走りも過激だが、サーキットでの試乗であったからなのか、意外にもアクセルをどんどん開けていけ、獰猛すぎて手に負えないというわけでは決してない。
取り回しやすさや経済性などに優れるスーパーカブに、アウトドアイメージのスタイリングと装備を施したレジャーモデルが『クロスカブ』。日常での使い勝手と遊び心の融合が楽しいバイクで、2013年からホンダのラインナップに名を連ねている。
なんと可愛らしい! 次に乗ったのは1962年製『ポートカブC240』。いま放送しているNHKの朝ドラ『ひよっこ』にも登場しているから、マニアの間ではちょっとだけ話題になっているのだ。