BMWが開発を進める次世代電動SUV「iX5」に、高性能なMモデルが設定される可能性が高まっている。その最新プロトタイプが、ドイツ・ニュルブルクリンクで高速テストを開始した。
BMWは次世代『X5』シリーズで、内燃機関モデルとともにBEV(バッテリーEV)の iX5を展開するとみられている。さらに、その頂点にはBMW Mが手掛ける「iX5 M」が投入される可能性がある。iX5 Mとみられるプロトタイプが初めて公道に姿を現したのは2026年7月。そして今回、舞台をニュルブルクリンクへ移し、本格的な性能・耐久テストを開始した。
◆ディテールが見え始めた
ボディは依然として厳重なカモフラージュに覆われているものの、通常のiX5とは異なるディテールが見え始めている。
フロントで目を引くのは、低くワイドに構えたキドニーグリルだ。市販型ではブラックアウトされる可能性があり、Mモデルらしい精悍な表情を作り出すとみられる。バンパーも専用デザインとなりそうだ。リアではバンパー形状を変更するほか、より存在感を増したリップスポイラーなどを装備し、高速域での空力性能を高めながら、標準iX5との差別化を図るはず。
BMW iX5 M 市販型のプロトタイプ◆4モーターで4輪それぞれの駆動を制御
iX5 Mで最大の注目点となるのが、その下に隠された電動パワートレインだ。現在開発が進められている電動版『M3』と同様、iX5 Mにも4基の電気モーターを搭載するとの情報がある。単純な前後2モーター式AWDではなく、4輪それぞれの駆動力を緻密に制御できる4モーターシステムだという。
最高出力については1000psを超えると伝えられている。ただし、デビュー時から1000ps超仕様にはならないかもしれない。初期仕様では800~900psていどに抑え、後から追加される高性能バージョンで1000ps級、あるいはそれ以上へ引き上げる可能性もある。800psを超えるだけでも、SUVとしては極めて高い出力となる。
BMW iX5 M 市販型のプロトタイプ
◆Heart of Joy
さらに注目されるのが、BMWが次世代EV向けに開発した統合制御システムかもしれない。iX5 Mには、電動版M3と共通する「Heart of Joy」と呼ばれる制御技術が導入されるとみられている。4基のモーターを電子制御システムと連携させ、各輪の駆動力を瞬時かつ緻密にコントロールする。強力な加速性能だけでなく、コーナリング性能にもメリットをもたらすと期待される。
重量級のEVでは、車重がハンドリングに影響を与える。いっぽう、4輪独立に近いトルク制御が可能になれば、旋回時には必要な車輪へ瞬時に駆動力を配分できる。そのため、最高出力だけでなく、コーナリングスピードや旋回性能でも、次世代のガソリンエンジン搭載「X5 M」を上回る可能性がある。
BMW iX5 M 市販型のプロトタイプ◆X5には2種類の高性能バージョン
BMWは次世代X5でも、内燃機関を搭載したMモデルを残すらしい。つまり、X5 MとiX5 Mという異なるパワートレインを持つ2車種の高性能SUVが並び立つのだ。ガソリンエンジンのフィーリングを武器とするX5 Mに対し、iX5 Mは4モーターならではの瞬発力と高度な駆動力制御を特徴とする。
iX5 Mのワールドプレミアは2027年後半が有力視されており、主要市場への投入は2028年初頭と予想されている。
1000ps超という最高出力に加え、ニュルブルクリンクで走行性能を磨くiX5 M。4モーターと次世代制御技術によって、重量級EVの走りをどこまで高められるのか、今後の開発動向に注目しよう。










