【シトロエン C3エアクロス 新型試乗】3列目シートは座布団2つ分!?「割り切れるか否か」が評価の分かれ目だ

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【シトロエン C3エアクロス 新型試乗】3列目シートは座布団2つ分!?「割り切れるか否か」が評価の分かれ目だ【シトロエン C3エアクロス 新型試乗】3列目シートは座布団2つ分!?「割り切れるか否か」が評価の分かれ目だ

シトロエンC3エアクロス マックス ハイブリッド(FF/6AT)【試乗記】

同じシトロエンの「C3」がクロスオーバーSUVに生まれ変わったこともあり、新型「C3エアクロス」はサイズを拡大し、3列シートSUVへと商売を替えた。果たしてそのリアセクションには、小さいながらも2つのシートが確かに備わっている。使い勝手やいかに。

新型は3列シートのSUV

「BセグメントSUVでは国内唯一の3列シート7人乗りレイアウト」をうたうのが新型C3エアクロスである。2025年秋にひと足早く上陸した新型「C3」よりもさらにボディーは大きく、特に全長は4410mmとC3よりほぼ40cmも長く、ホイールベースも130mm長い2670mmである。「ゴルフ」を軽く上回り、むしろ「ティグアン」や「カローラ クロス」に近い全長のSUVを素直にBセグメントというのはちょっとためらいがあるが、C3をベースにした3列シート7人乗りであることは間違いない。いつもシトロエンはこういうニッチな分野をついてくる。

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といっても、全長4.4mクラスのボディーに7人分のシートを詰め込んでいるのだから、やはり限界はある。予想どおりというか、2列目シートを座面もろとも前方に折りたたんで、その隙間から潜り込む(体の硬くなった年配者はひと苦労だ)サードシートはどう見てもエマージェンシー用。薄い座布団を床の上に置いただけ、といったシートである。四角いボディーのおかげで頭がつっかえるようなことはないが、当然座面クッションとフロア間の高さ、いわゆるヒール段差も最小で、膝前も足先も隙間を見つけて折り合いをつけるしかない(足先をセカンドシートの固定金具に挟み込まれないように注意)。小さなユニットバスに膝を抱えて浸かっているような格好になる。

1列目と2列目に座る他の5人はシトロエン自慢のウレタンフォームが分厚いアドバンストコンフォートシートの恩恵にあずかっているのだから、何ともみそっかす感があるが、それでいいのだという割り切りだろう。むしろこのサイズによくもまあきっちり詰め込んだものだと感心する。

国内では2026年7月下旬に発売された2代目「シトロエンC3エアクロス」。先代は「C3エアクロスSUV」を名乗っていた。今回の試乗車は上位グレードの「マックス」。

分かりやすいガチムチSUVスタイル

C3エアクロスとしては2代目となる新型は、丸みを帯びたボディーと薄目のシグネチャーライトが特徴的だった“ゆるふわ”な雰囲気の先代から一転、C3と同様にボクシーでマッチョなSUVスタイルに生まれ変わった。先代は「C3エアクロスSUV」と、車名に「SUV」をわざわざ付け加えていたが(日本だけだったようだが)、新型は単に「エアクロス」だ。見間違う心配がないSUVスタイルになったということだろう。相変わらず細かな部分までデザインのこだわりが見て取れるから、「『ライズ』に似ている」なんて決めつけてはシトロエンの立つ瀬がないが、風変わりなところが最大の魅力と見られていたシトロエンにしては実に思い切った路線変更である。

日本仕様はおなじみの1.2リッター3気筒ターボに48Vマイルドハイブリッド+6段DCTを組み合わせたパワートレインだけ(本国では純ガソリンエンジン車もBEVも発表されている)、前席シートヒーターやワイヤレスチャージャーなどの装備とトリムの違いで「プラス」(399.9万円)と「マックス」(435万円)の2種のグレードに分かれるのみで、試乗車はその上級グレードのマックスである。

ベーシックグレードで400万円を切る価格は、コンパクトなSUVとはいえ、円安や原油高を理由に立て続けに値上げを繰り返していた数年前を思えば、まるで人が変わったような戦略的値づけではある。ただし、後述するように装備の面で物足りなさもある。

ボディーの全長は先代から250mmも拡大し、4410mmにも達する。もはや「C4」よりも長い。サイドビューは伸びやかでなかなかいい感じだ。

街なかは相変わらず苦手

先日試乗したC3のBEV版「e-C3」は、今どき金属キーをシリンダーに差し込んで回して起動する希少種だったが、C3エアクロスにはスタート/ストップボタンが備わる。どのようなすみ分けなのか? と思ったら、これはマックスのみの装備のようだ。コスト抑制は徹底的に、だがあからさまには見えないようにという苦心がうかがえる。

1.2リッター3気筒ターボは最高出力136PS/5500rpmと最大トルク230N・m/1750rpmを発生。それに20PSと51N・mを生み出すモーターを加えたシステム最高出力は145PSという(C3は同じく110PS)。ステランティスグループ内で同様の6段DCT+マイルドハイブリッドシステム(低負荷の場合は電動走行も可能)を採用するクルマは数多いが、モデルによって低速での挙動が気になるクルマとそうでもないクルマがあるのはすでに皆さんご存じのとおり。C3エアクロスは残念ながらちょっといただけない。信号が変わって動きだしたと思ったら前のクルマにつっかえてまたブレーキを踏む、なんてことは混んだ街なかではごく当たり前にあることだ。そういう加減速を曖昧に繰り返さなければならないような場面でクラッチ制御がスムーズではなく、時折ショックも感じる。

振り返ればAL4型4段ATの時代から、プジョーやシトロエンはストップ&ゴーの中での扱いやすさやスムーズさには無頓着だった。マニュアルでシフトすればいいじゃないか、とかつて本社のエンジニアから言われたことを思い出すが、C3エアクロスにはDとLレンジがあるのみで、シフトパドルなどは備わらない。

国内向けのマイルドハイブリッドのパワートレインは1.2リッターターボエンジンのみの設定。システム最高出力145PSを誇るが、市街地走行時の振る舞いに、もう一段の改善を見込みたい。

割り切れるか否か

自分のペースでメリハリつけて走れるオープンロードでは、街なかでのギクシャク感がうそのように爽快に気持ち良く走ることができる。さっきまでのイライラはどこへやら、なんだよ、いいじゃないか、とすっかり見直してしまうのである。もちろん、1.2リッターの3気筒ターボだから目覚ましく速いわけではないものの、実用上は不足なし。プンプン健康的に回るエンジンを引っ張って走るのはなかなかに痛快である。ただし、そうやって走ると燃費は相応に悪化するようだ(今回の試乗の平均で12.2km/リッター、WLTCモード燃費は19.6km/リッター)。

例によってサスペンションはマクファーソンストラット/トーションビームという何の変哲もない形式ながら、プログレッシブ・ハイドローリック・クッション(PHC)ダンパーを装備するC3エアクロスの乗り心地は上々である。先代モデルよりは引き締まっているようだが、それでもしなやかにスムーズに動く足まわりは独特だ。といってハンドリングにも不安はない。パキパキ鋭いステアリングではなく、ロールしてからの豊かな接地感とコントロール性が真骨頂である。

郊外に出かけるとがぜん好印象となるC3エアクロスだが、C3と同じく今どきアダプティブクルーズコントロールが備わらないのが玉にきずである(緊急ブレーキやレーンキープアシスト、ブラインドスポットウォーニングは備わる)。これをよしとするかどうか、さらに3列目シートはあくまで非常用と割り切れるかどうか。相変わらず乗る人に突きつけてくるのがシトロエンである。

(文=高平高輝/写真=向後一宏/編集=藤沢 勝/車両協力=ステランティス ジャパン)

フロントがストラット、リアがトーションビームの足まわりにはシトロエン自慢のプログレッシブ・ハイドローリック・クッションを搭載。バンプストップラバーの代わりにセカンダリーダンパーを備えたというサスペンションだ。

テスト車のデータ

シトロエンC3エアクロス マックス ハイブリッド

ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4410×1790×1660mm
ホイールベース:2670mm
車重:1390kg
駆動方式:FF
エンジン:1.2リッター直3 DOHC 12バルブ ターボ
モーター:交流同期電動機
トランスミッション:6段AT
エンジン最高出力:136PS(100kW)/5500rpm
エンジン最大トルク:230N・m(23.5kgf・m)/1750rpm
モーター最高出力:20PS(15kW)/4264rpm
モーター最大トルク:51N・m(5.2kgf・m)/750-2499rpm
システム最高出力:145PS(107kW)
タイヤ:(前)215/60R17 96H(後)215/60R17 96H(ブリヂストン・トランザ6)
燃費:19.6km/リッター(WLTCモード)
価格:435万円/テスト車=467万4500円
オプション装備:オプションカラー<ヴェールモンタナ×ホワイトルーフ>(5万5000円)/ドライブレコーダー(7万7000円)/ETC+取り付けキット(2万0020円)/フロアマット(17万2480円)

テスト車の年式:2026年型
テスト開始時の走行距離:2910km
テスト形態:ロードインプレッション
走行状態:市街地(3)/高速道路(6)/山岳路(1)
テスト距離:194.5km
使用燃料:15.6リッター(ハイオクガソリン)
参考燃費:12.5km/リッター(満タン法)/12.2km/リッター(車載燃費計計測値)

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《webCG》

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