BYD、電動バス世界初の1000V高圧システム開発…航続400km以上の『C11』発表

BYDの新型電動バス『C11』
  • BYDの新型電動バス『C11』
  • BYDの「e-Busプラットフォーム3.0発表会」
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BYDは9月16日、中国の杭州で「e-Busプラットフォーム3.0発表会」を開催し、第三世代の電動バス技術プラットフォームを正式に公開した。

【画像】BYDの新型電動バス

今回のプラットフォームは電動バスとして世界初の1000V高圧システムを採用し、「電気が燃料より優れる」ことを目指す。これに合わせて、新型電動バス『C11』も発表された。

BYDは2008年から新エネルギー商用車の研究開発を開始し、17年間で140億元以上を投資、7000人を超える研究者を擁する。唯一「三電一芯」のコア技術を持ち、長期にわたり新エネルギー商用車に注力している企業だ。e-Busプラットフォームは3回の改良を経て、技術の限界を突破し、電動バスの性能向上を実現した。

発表会でBYD商用車事業部の田春龍総経理は、「バスの電動化を加速するという約束の実現であり、ユーザーにより多くの価値を提供し、環境に優しい生活を守る初心を貫くものだ」と述べた。

e-Busプラットフォーム3.0は「安全」「高効率」「スマート」の3つの核心分野に革新をもたらす。世界初の量産型1000V高圧アーキテクチャを構築し、駆動系、充電・配電、空調システムを1000Vに対応させた。1500Vの炭化ケイ素パワーチップを開発し、1000V電動駆動橋を初搭載。七合一の多熱源熱管理システムにより、車両の総合エネルギー消費を最大18%削減し、マイナス15度の低温環境での航続距離を50~80km延長した。

安全面では、世界初のバッテリーとシャシーの一体化技術(CTC)を採用し、薄型の専用リチウムイオンバッテリーをシャシー骨格に深く統合。バッテリーパックは10層の保護構造を持ち、50トンの大型トラックによる圧迫や国際基準の4倍の圧縮に耐える。これにより車両の安全性と空間効率が大幅に向上した。

スマート技術では、新世代の電子電気アーキテクチャを導入し、シャーシ、駆動、車体制御の効率的な連携とインテリジェント制御を実現。専用の車体制御システム「客車クラウド」や「客車iTACスマートトルク制御システム」、高速パンク安定走行システム(TBC)、ドライバー無能力支援システム2.0を搭載し、操縦安定性や走行の快適性、安全性を向上させた。

新型電動バスのC11は全長11mで、e-Busプラットフォーム3.0を基盤に開発。満載状態でエアコン使用時の航続距離は400km以上に達する。安全性や効率性、快適性は従来の燃料バスを大きく上回る。クラウドにより連続した凹凸路面でも安定した走行を実現し、乗客の車酔いを軽減。環境配慮型素材や高効率換気、人間工学に基づく温度管理、静音設計により快適な乗車環境を提供する。高温、低温、高地、山岳、都市、農村など多様な環境での運用に適応可能だ。

BYD商用車は2年連続で新エネルギーバスの輸出量で世界一を獲得し、現在は世界6大陸70カ国以上、400都市以上で展開している。今後もe-Busプラットフォーム3.0を基に多様な電動バス製品を投入し、パートナーと協力して世界のバス電動化を推進し、地球の温暖化抑制に貢献する方針だ。

《森脇稔》

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