リアルサウンドを愛車のトヨタ『プリウス』で追求している大谷さん、サウンドサスペンションのデモカーとの出会いが影響してユニット選びやシステムデザインが決定。広島県のcar audio factory K-soundでユニットのポテンシャルを生かす取り付けを実践した。
◆フロントスピーカーのユニット選びが
リアルサウンドの再現を大きく左右した



前編でもお伝えした通り、サウンドサスペンションのデモカーをイベント会場で聴いた大谷さんは、その生々しいサウンドに魅了され、同ブランドのスピーカー、パワーアンプ、周辺機器などを愛車のプリウスに導入してデモカーサウンドの再現を狙った。
中でもキーユニットになったのがDEERブランドのスピーカーであるRJ2/RJ2 Limitedシリーズを採用、RJ025、RJ175-Lの2ウェイシステムに加えてRJ085-Lのミッドレンジを加えたフロント3ウェイを構築。一度は同ブランドの別スピーカーを使っていたが、ステップアップして現在のシステムにたどり着いた。
このユニットの音がオーナーが思い描いていた理想の音に限りなく近かったことから採用された。クリア感、リアルさなど、どこを取ってもオーナーの感性にジャストフィットするスピーカーとなった。取り付け面でも、ショップと共に工夫を凝らし、スピーカーの能力を最大限引き出すためのインストールを実施した。
◆Aピラーとドアミラー裏を利用して
ツイーター&ミッドレンジの取り付けを実施



ツイーターのRJ175-L、ミッドレンジのRJ085-Lの取り付けには特別なこだわりがある。ツイーターはAピラーへの取り付け、ミッドレンジはドア上部にブラケットをワンオフして取り付ける構造だ。こうしている理由は、ツイーターとミッドレンジの振動板の角度を揃えるためであり、軸上の音を聴くことでよりリアルなサウンドを追求した。さらにはドアに取り付けられているミッドバス(RJ025)とも角度を揃えることで、ツイーター/ミッドレンジ/ミッドバスの音の統一感を引き出しているのも狙いとなった。
取り付けを見るとツイーターはカップを用いて直接ピラーに固定するスタイル。角度付けの自由度も高く周囲からの影響も受けにくい取り付けとした。ミッドレンジはドア上部/ドアミラー裏にマウントをワンオフする。ドア形状にもフィットするデザインでインテリアのイメージを損なわない作りとした。
一方のミッドバスはドア純正位置にインナー取り付けが行われていて普段使いも考慮した作り込みとなった。徹底してスピーカーの能力を引き出すためのインストールを実施したコクピットが、オーナーの思い描くサウンドを引き出すための最大のこだわりポイントになった。
◆普段使いする上でコクピットにもDAPを設置
究極の高音質システムと使い勝手を両立させる


DAP(Fiio M17)はラゲッジに設置されているDSP(ヘリックスDSPウルトラ)の直近に設置して、伝送ロスを徹底的に軽減して高音質を狙ったことは前編でお伝えした通りだ。しかし、普段使いする上で手元にDAPを設置することにもこだわり、リアのみならずコクピット側にもDAPをレイアウトできる2ウェイのシステムにした。
パワーアンプをはじめとした電源系には、お気に入りのサウンドサスペンションのパーツを数多く組み込み、電源の昇圧や安定性向上、さらにはノイズ低減を徹底しているのもオーナーのこだわり。コントローラーやアンビエントバランサーなどにもサウンドサスペンションのパーツを組み込み、同ブランドならではのトータルサウンドを完成させた。
ハイエンドなオーディオ機器を経験してきた大谷さんが、試聴したデモカーのサウンドに惚れ込んで一気に作り上げたプリウス。好きな音を見つけ、それに似つかわしいシステムを投入した愛車はサウンド面での満足感も高い。今後もシステムアップを続け、理想のリアルサウンドを車内でますます追求していく予定だ。
土田康弘|ライター
デジタル音声に関わるエンジニアを経験した後に出版社の編集者に転職。バイク雑誌や4WD雑誌の編集部で勤務。独立後はカーオーディオ、クルマ、腕時計、モノ系、インテリア、アウトドア関連などのライティングを手がけ、カーオーディオ雑誌の編集長も請負。現在もカーオーディオをはじめとしたライティングを中心に活動中。