【VW Tクロス カッパースタイル 新型試乗】細かいことに目くじらを立ててはいけない…島崎七生人

VW T-Cross Cooper Style
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何を隠そう(誰も何も隠していないが……)VW『Tクロス』は、2020年1月の発売から連続3年間、輸入SUV中で国内登録台数1位を記録した。台数は2020年=8930台/2021年=9159台/2022年=6570台。2023年は2位(1位はVW『Tロック』)ながら6179台だった。

そういう訳で街中でTクロスを本当によく見かける。筆者の住む都下・多摩地区でも、平日の昼間に試乗中、2車線の道路の信号待ちやスーパーの駐車場でTクロスと並ぶことがしばしばあった。自分が乗っていると同型車はことのほか気になるものだが、気にし始めたら引っ切りなし……なほどである。

そんな中で試乗車「カッパースタイル」(2024年3月1日からの新価格は394.9万円)は、ほどよく差別化が図れるクルマといえる。クルマに疎い家人でさえ、ホイール、ドアミラーキャップの色で識別できたらしく、試乗中たまたま駅前まで迎えに行くと「走ってきたのがわかった」と証言したのだから“have a presence”といっていい。

実車は実に乗りこなしやすい。自動車雑誌的に重箱の隅をつつけば、(2気筒ツインエアを日頃の足とする筆者が言うのも何だが)ある領域で3気筒エンジン固有のバイブレーションに気がつくが、このクルマはそういうことに目くじらを立ててはいけない気がする。

日常領域では快活に走るし、必要とあらば999ccDOHCインタークーラーターボは威勢のいい加速も見せる。7速DSGの変速もスムースで小気味いい。ダンピングを効かせたシッカリとしたサスペンション、高速走行時の安定感は小さくともVW車らしいところだ。

小柄なドライバーでもシートを少し高めにセットすれば運転席からの視界は良好で、取り回しもラクだ。それと忘れてはならないのはこのクルマの実用性の高さで、とくに2段に床面の高さが変えられるラゲッジルーム(片手でススッと床面が落として収められる形状の工夫が素晴らしい)は、使い勝手、容量とも秀逸。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

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