国交省が豊田自動織機にも是正命令、建機エンジン「型式」取り消しも[新聞ウォッチ]

トヨタ・ハイエース(1GDエンジン搭載)
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“改善(カイゼン)”と“改ざん(カイザン)”は1字違いでも、天と地ほどの差があることを改めて思い知ったことではないだろうか。

トヨタ自動車グループで「源流」でもある豊田自動織機の排ガスデータ不正問題で、国土交通省が、2月中にも同社に対し、道路運送車両法に基づき再発防止に向け組織の抜本改善を命じる「是正命令」を出す方針を固めたという。

◆ショベルカー用のエンジン1機種は型式指定の取り消しか

国交省関係者の取材で判明したそうで、きょうの日経が社会面で大きく報じているほか、読売、毎日なども1面などに「豊田織機に是正命令へ」などと取り上げている。

不正が発覚したエンジンのうちショベルカー用の1機種は、排ガス試験で実測値を改ざんするなど重大な不正が確認されて排ガス性能の基準を満たさないとして生産に必要な認証「型式指定」の取り消しを検討するという。

一方、トヨタ向けに生産し、国内向けの販売では商用車の『ハイエース』など6車種に搭載されている自動車用のディーゼルエンジン3機種の取り消し処分については「慎重に判断」とも伝えている。

◆是正命令は日野、ダイハツに続く3例目

是正命令は2019年改正の道路運送車両法で創設されたが、今回、豊田織機に出されることになれば、燃費性能などに関する国の認証試験でデータを改ざんしていた日野自動車と、衝突試験を巡る認証手続きなどで不正が発覚したダイハツ工業に続き3例目となる。

折しも、きょうの日経には、調査会社のマークラインズのデータや各社の開示をもとに2023年の世界の新車販売台数を集計したところ、トヨタグループが4年連続世界首位。しかも、欧米、中国、日本を含む主要14カ国のハイブリッド車(HV)の販売台数が前の年から30%増えて電気自動車(EV)などの伸び(28%)を上回ったとも報じている。だが、トヨタグループでは不祥事が続き、日野、ダイハツ、豊田織機という“不正3兄弟”の汚名を晴らすにはしばらく時間がかかりそうだ。

2024年2月20日付

●豊田織機に是正命令へ、建機用エンジン、型式取り消しも、国交省(読売・2面)

●トヨタ労務費上昇負担へ、部品メーカー人手不足に対応(読売・7面)

●内閣支持最低21%、守山氏「辞任を」66%、本社世論調査(産経・1面)

●私の推・オシゴト「Z」を手掛けたクレーモデラー、クルマの躍動削り出す(毎日・6面)

●ビッグモーター元役員を再逮捕、他店舗の樹木損壊疑い(産経・22面)

●HV販売伸び、EVを逆転、昨年主要14か国3割増、トヨタ台数最高(日経・2面)

●鉄道各社ダイヤ改正、観光向け列車増発、来月、旺盛な需要取り込む(日経・15面)

●トヨタ系リースで情報漏えいの恐れ(日経・15面)

●スズキ「ジムニー」最大6%値上げ(日経・15面)

●新車販売、BYD10位入り、昨年世界、EVで存在感(日経・15面)

《福田俊之》

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