オーナーカーにも広がり始めたサブスクアプリ、トヨタ ヴォクシーで試してみた

トヨタ ヴォクシー
  • トヨタ ヴォクシー
  • トヨタ ヴォクシー
  • 各種サービスは My TOYOTA+ アプリで利用することができる
  • エアコンの設定画面
  • ドライブ診断やディーラー入庫の予約も可能
  • 施錠やウインドウの閉め忘れを通知してくれる
  • 施錠やウインドウの閉め忘れを通知してくれる
  • ドアや窓が開いたままになっていないかを確認できる

オーナーカーにもサブスクの波が広がっている。車両のサブスクリースのことではなく、ディーラーなどで購入したクルマに対して、月額課金で機能が追加されるほうのサブスクサービスだ。

どんなサブスクがあるのか。課金をするとどのようにカーライフが快適になるのか。トヨタの新型『ヴォクシー』で利用できる「My TOYOTA+」アプリのサブスクサービスを調査したのでレポートする。

各種サービスは My TOYOTA+ アプリで利用することができる各種サービスは My TOYOTA+ アプリで利用することができる

◆カーシェアに超便利な「デジタルキー」

Anyca(エニカ)などのユーザー間カーシェアサービスのユーザーには待望の機能だろう。これは、スマートフォンをクルマのキーとして利用できる機能で、SMSでキーを送ってクルマの貸し借りをすることもできる。

通常、クルマを貸し出す際は借り手・貸し手が直接会ってカギを手渡ししたり、返却したりする必要があるが、デジタルキーであればSMSでキーを送るだけでOK。キーの有効期限を設定することも可能だ。

デジタルキーはカーシェアで便利に使えそうだデジタルキーはカーシェアで便利に使えそうだ

月に2~3回、クルマを使わない日に貸し出して毎月数万円の収入を得ている人もいる。そうやってローン支払いの足しにすることを考えれば、新車購入の選択肢も広がるかもしれない。余談だが、カーシェアで人気の車種はミニバンだそうだ。

デジタルキーの利用料は月額550円(価格は全て税込み)。初回登録日から3年間は無料で利用できる。また利用には車両購入時にメーカーオプションの装備が必要で、こちらの価格は1万6500円となっている。

◆あるとうれしい「リモートスタート」

乗車前にリモートでエアコンを起動することができる機能。夏の暑い日、乗車前に車内を冷やしておいたり、冬の寒い日には車内を暖めたり、フロント・リアウインドウの霜取りを起動しておくこともできる。

エアコンの設定画面エアコンの設定画面

こういった便利な機能は、一度使うと手放せなくなるものだ。特に冬季の霜取り機能は、地域によっては毎日のように使うことになるだろう。月額220円で利用することができる。

◆走行中に目的地設定してくれるオペレーターサービス

AIの自動音声ではなく、専門のオペレーターが対応してくれるサービス。オペレーターに口頭で行きたい場所を伝えるだけで、ナビの目的地をセットしてくれる。

走行中にファーストフードに行きたい、となった際に例えば「近くのマクドナルドを探して」とオペレーターに相談すると、オペレーターがドライバーに代わってマクドナルドを検索し、遠隔でナビの目的地をセットしてくれるというものだ。

そのほか、クルマの故障やパンクなどで対応が必要な際に、ロードサービスへの取次にも対応している。利用料は月額330円。

◆車内Wi-Fiのデータ通信料は?

クルマをWi-Fiスポットとして使える機能で、データ通信料はなんと無制限! だが、直近3日間で6GB以上の通信をした場合、その次の日(4日目)は終日速度制限がかかることがある。

通信機器は最大5台まで同時接続可能なので、5人家族なら全員で使うことができる。例えば、運転中にストリーミング音楽を聴きながら通信ナビを使い、後席では子供たちがタブレットで動画を見たりゲームをしたり、ということが気兼ねなくできるので、ロングドライブが多い家族にはピッタリだろう。月額1100円で利用することができる。

◆サブスク利用には「ディスプレイオーディオPlus」が必要

これらの各種サブスクサービスを利用するには、メーカーオプションの「ディスプレイオーディオPlus」を装着していることが条件となる。そのうえで、「T-Connectスタンダード(22)」というコネクテッドサービスの基本契約が必要だ。

ディスプレイオーディオPlusのオプション価格は19万300円(ヴォクシーハイブリッドS-Zの場合)。T-Connectスタンダードは月額330円で、初回登録日から5年間は無料となる。

◆追加課金不要ながら必須サービスもある

これらは決して安くないオプションだが、前述の各種サブスクサービスのほかに、追加課金不要で利用できるサービスも多い。

まず挙げるべきなのは「ヘルプネット」だ。万が一の事故の際に、ボタンひとつで自車位置のデータと共に緊急対応を依頼することができる。また、エアバッグが展開するほどの事故の場合は、自動的にセンターから電話がかかってくる。乗員の意識がない場合、対話ができない場合には、センター側で緊急車両を手配してくれるというものだ。

緊急対応が早ければ早いほど、事故の際の救命率が上がる。お金には換えられない価値と言うことができる。

いざという時には、このヘルプネットのボタンを押せば、自社位置情報とともに緊急対応をセンターに依頼できるいざという時には、このヘルプネットのボタンを押せば、自社位置情報とともに緊急対応をセンターに依頼できる

そのほかにも、リモートでドアロックの開錠・施錠やハザードの点灯ができる「リモート操作」や、ドアのこじ開けや予期しないクルマの始動などを通知する「アラーム通知」、クルマがドライバーを認識し、ドライバーごとのシート位置やナビの設定を自動で反映する「マイセッティング」など、一度使うと手放せない便利な機能がある。

また、初回登録日から5年間無料という期限はあるが、最新の地図データを随時更新し、渋滞情報を考慮したルート検索が可能なコネクティッドナビも利用できる。スマホナビも便利だが、正確な自車位置測位や分かりやすい案内は車載ナビならでは。6年目からは月額880円で利用を継続できる。

◆サブスクサービスを賢く利用しよう

カーライフは人それぞれ違うので、ここまで紹介したサブスクサービスのなかには、不要なものも、ぜひ欲しい機能もあるはずだ。月々数百円の機能もあるので、サブスクだからと言って敬遠するのではなく、それぞれのクルマの付き合い方と照らし合わせて、料金が妥当と感じられるのであれば使ってみてほしい。

《佐藤耕一》

日本自動車ジャーナリスト協会会員 佐藤耕一

自動車メディアの副編集長として活動したのち、IT企業にて自動車メーカー・サプライヤー向けのビジネス開発を経験し、のち独立。EV・電動車やCASE領域を中心に活動中。日本自動車ジャーナリスト協会会員

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