日本科学未来館(東京都江東区)は7月8日、同日から10日まで開催する、初の全館イベント『Mirai can FES - ミライキャンフェス -』にあわせて、常設展の新設計画や今後の活動方針の発表会を行った。
発表会では館長の浅川智恵子氏が登壇し、これからの未来館とスローガン、そして活動方針について語った。浅川氏は館長に就任した2021年4月に『あなたとともに未来をつくるプラットフォーム』というビジョンを掲げた。まずはそのビジョン実現に向けての施策として、科学技術をわかりやすく伝えるだけではなく、さまざまな課題解決について学べ、未来の入り口である新しい科学技術を体験し、未来づくりにひとりひとりが参加できることが大切だと語った。
そしてこれらを実現するプラットフォームになるための、5つの取り組みが開始される。その5つとは、ひとつ目は『ひとの未来』、ふたつ目は『つくる未来』、3つ目は『みんなの未来』、4つ目は『未来をつくる、人をつくる』、5つ目は『サステナビリティ&アクセシビリティ』とのこと。
ひとつ目の『ひとの未来』について考えるための入口として、『Life(ライフ)』、『Society(ソサエティ)』、『Earth(アース)』、『Frontier(フロンティア)』の4つのテーマを設定。来館者には、これらの入口に基づいて発信する新しい常設展示やイベントなどを通して、ワクワクする未来に出会っていただきたいと語られた。合わせて新スローガン『Mirai can ____! 未来は、かなえるものへ。』も定められ、『Mirai can』に続く空白部分にはひとりひとりが未来を自分の事として考え、願いを託して欲しいという想いが込められている。

4つのテーマについては科学コミュニケーターと呼ばれる、未来館のスタッフから紹介が行われた。『Life(ライフ)』については、「ひとりひとりの違いを理解し、尊重する」というキーワードのもと、これからの歳の重ね方はどう変わっていくのかや、最先端の身体測定で健やかさを捉え直すといった展示内容が検討されている。
『Society(ソサエティ)』については、「この先、どんな社会を選びとっていくのか」というキーワードが提示された。AIやロボットが生活に溶け込むと暮らしはどう変わるのかという常設展示については2023年を目処に開発中で、「できたらいいな」から生まれるロボットの社会実装とさらなる空想というテーマの展示は、8日よりオープンしている。
『Earth(アース)』については、「どんな新しいライフスタイルをつくるのか」をテーマに、エネルギーや気候変動、生物多様性についての展示が行われる予定だ。
『Frontier(フロンティア)』については、「人類は、わからないことを解き明かしたい」というキーワードで、宇宙・深海、過去の世界、ミクロの世界についての展示が行われる予定だ。




続いて、館長の浅川氏とゲストの新内眞衣さんによるトークショーも行われた。新内さんはこの春にアイドルグループ『乃木坂46』を卒業し、タレント、ラジオパーソナリティ、舞台役者として活躍し、4月からはラジオでSDGs啓発番組のメインパーソナリティーにも就任している。
SDGs啓発番組はリスナーの皆さんと、SDGsをイチから学んでいく番組だが、SDGsではさまざまなゴールが用意されているので、たいてい難しい事柄だと思われがち。ところがちょっと紐解いていくと本当に身近なことばかりなので、できることからやっていくというのが大事だと感じているとのことだった。また新内さんの『Mirai can____』については、『宇宙スタジオから生放送』とのこと。『オールナイトニッポン0』、『乃木坂46のオールナイトニッポン』とパーソナリティを6年に渡って続けてきた新内さんらしい回答となっていた。ちなみに日本科学未来館には、小学生の時以来で約15年ぶりに訪れたという。



