【BMW 2シリーズアクティブツアラー 新型】iDriveがなくなったインテリア…マーケティング・商品担当[インタビュー]

BMW 2シリーズアクティブツアラー
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  • BMW 2シリーズアクティブツアラー デザインスケッチ
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BMW初の前輪駆動モデルとして注目を集めた『2シリーズ・アクティブツアラー』が2世代目に進化した。そこで、日本市場から見たこのクルマについて担当のお二人に語ってもらった。

◆大きく変わったインテリア

----:2シリーズ・アクティブツアラーがフルモデルチェンジしました。その最大のポイントはなんでしょう。

ビー・エム・ダブリューBMWブランド・マネジメント・ディビジョンの遠藤克之輔さん(以下敬称略):3つあるんですけど、まず、スタイリッシュなデザイン。そして、ラウンジのような快適な室内空間。最後はスポーティで駆け抜ける喜びを提供する動力性能。この3つがパーフェクトにバランスしたことが一番の魅力です。

----:ではデザインから伺いたいのですけれども、デザイナーはそもそもどう考えてこの2シリーズ・スペースツアラーをデザインしたのでしょう。

BMW 2シリーズアクティブツアラー デザインスケッチBMW 2シリーズアクティブツアラー デザインスケッチ

遠藤:間違いなくあるのは、全てのスタイリングが、お客様が駆け抜ける歓びとか、運転したくなる、どこかに出かけたくなるような、そういう心が湧き踊るようなことを企画してデザインされていることです。

もう1つ大事なのは、BMW伝統のスポーティさとかシャープさ、デザインの美しさということも伝統的に持っていますので、当然ながらそういったデザインになってます。

----:フルモデルチェンジではあるのですが、ぱっと見た瞬間にアクティブツアラーだとわからせていますね。

遠藤:まさにその伝統的なデザインと、先代で成功したポイントを踏まえつつ、いかにリニューアルをしていくか。そういう新しい世界観を作っていくことはとても大事ですし、BMWとしてもそこは非常に上手いと思います。

インテリアにおいてもラグジュアリーで、ホテルのラウンジにいるような室内空間だと思います。クオリティが本当に上がっていますので、そこをぜひ楽しんでもらいたです。

BMW 2シリーズアクティブツアラー デザインスケッチBMW 2シリーズアクティブツアラー デザインスケッチ

----:そのインテリアはエクステリア以上に大きく変わりました。

同社BMWブランド・マネジメント・ディビジョンプロダクト・マネジメントプロダクト・マジャーのプリュボ・ケビンさん(以下敬称略):インテリアで見ていただきたいポイントは色々あるんですけれども、まずはカーブドディスプレーです。『iX』から登場したもので、メーターパネルとナビゲーションが大きく一体になって満曲しています。これがコンパクトクラスに初めて採用されました。

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それからこのカーブドディスプレー投入に合わせて、インテリアのエルゴノミクスがかなり変わりました。音声とタッチ操作をベースに、あとはそれらを補完する形としてステアリングスイッチで操作するようにしましたので、物理ボタンがかなり少なくなっています。また、個人的に一番びっくりしたのですが、BMWの大きな特徴であったiDriveコントローラーがなくなったのです。これはiXにもない大きな特徴で、BMWは音声コマンドやタッチ操作を信頼して、iDriveコントローラーがなくても十分にお客様にお使いいただけるところまで来ているとの考えが見て取れます。

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----:インテリアの質感も含めて相当向上してる印象がありますね。

ケビン:日本仕様としてかなりの装備を標準として盛り込んでいることが挙げられます。細かいところでは、実はダッシュボードも本来、本国ではオプションのラグジュアリーダッシュボードを採用しています。柔らかいウレタン素材を使っていますので、上質さも感じていただけるでしょう。

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◆魅力を伸ばしたフルモデルチェンジ

----:先代のユーザーから評価をされたポイントはどういったものでしたか。

ケビン:先代でご好評をいただいていたのは積載量です。4:2:4で分かれて可倒できるリアシートはもちろん、大きなテールゲートで荷物の出し入れもしやすいというところがありました。また、運転席周りが非常に解放感のあることも挙げられます。当時の例えば先代の『3シリーズ』と比較しても、アームレストが浮いたような形になっていたり、センタートンネルのところが低く流れるようなデザインになっていたりなど、非常に広々とした空間になっていました。それがさらに広くなっているのが新型です。

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----:今回は良いところをかなり伸ばしたイメージですね。

ケビン:そうです。もうひとつ個人的に、先代と比べてなのですが、Aダッシュピラーの太さがあります。実は新型に比べて先代は倍くらい太かったのです。そこにはオプションでスピーカーなどを埋め込まれたということもあったのですが、それ故に右折の時の横断歩道が少し見にくいシーンがあったんですね。それが新型になってかなり細くなったので、斜め前方の視認性が大幅に向上しました。

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----:今回は新しい『MINIクラブマン』などのプラットフォームと共通ですね。

ケビン:そうです。

----:当然のことながらMINIとはかなり走りが変わっていると思うのですが、その辺りの特徴みたいなのはありますか。

ケビン:両方とも7速DCT(MINIはガソリンモデル)を採用していますが、それぞれキャラクターが明確ですので、MINIはブランドイメージにもあるようなゴーカートフィーリングのような、よりポップな走りに振っています。一方BMW2シリーズ・アクティブツアラーはよりスムーズでスポーティなフィーリングに仕上げられています。

◆3列はSUVで楽しんで

----:先代のアクティブツアラーと比較し、ユーザー層は変わりますか。

遠藤:それほど変わらないかもしれません。35から45歳ぐらいの若いご夫婦やカップル、それと55から60歳ぐらいのアクティブシニアだと思っていますので、その世代の方たちがいまこれを見た時に、我々の新しいお客様になってくださる。そんな形かなとイメージしています。

----:つまり、いま乗っている方は当然のことながら、新規ユーザーも取り込みたいということですね。

遠藤:そうですね。先代を知らない方もいらっしゃると思いますし、あとは当然、日本車にお乗りになってる方で、BMWに憧れている方にも乗っていただきたいのです。

----:そこで気になるのが、3列のモデルです。

遠藤:これに3列モデルはないですね。あくまでも最大5人という形で割り切っていますので、3列モデルであれば、『X5』や『X7』といったSUVで楽しんでいただければと考えています。

◆MPVをなくさないように

----:今回導入するにあたって日本側からのリクエストなどはありましたか。

ケビン:まずはこのセグメントの存続があります。欧州やアメリカなどではMPVはマイナーなんですね。一方で、日本では非常に強いセグメントですので、まずは残ってほしかったことがあります。特にネックとなったのが、SUVが増えてきていますので、それであればそちらでいいのではないかと、これはどこのメーカーも考えているのではないでしょうか。それでもSUVとは違う、新型では少しクロスオーバールックにもなってはいますが、SUVと差別化し、特にファミリー世代に好まれるこのMPVというセグメントはなんとしても残してほしいということは日本からも強くいいました。

遠藤:装備に関しては、色々なディスカッションはしましたけれども、いまのところ出てきたモデルは全て我々のニーズに沿った形で、日本のお客様にも幅広く受け入れてられる、そういった装備・機能、性能になっています。

特に機能面ですね。カーブトディスプレイもそうですし、iPhoneのバッテリーチャージ、リバースアシスト、アクティブクルーズコントロールなどはやはり大事ですので、全部装備しました。そのうえでさらにお求めやすい価格設定になってると思います。

----:最後にこの2シリーズ・アクティブツアーのこだわりポイントを教えてください。

ケビン:個人的に私がすごく気に入っていることでもいいですか。チャレンジングだと思いますが、是非色を楽しんでいただきたいのです。色々な理由があって、白や黒を選択することがありますし、その事情もわかります。ただ今回、ボディカラーは全9色ご用意していまして、ブルーも2色、グレーも複数用意してますし、白も2色あります。それからサンレモグリーンという、ちょっとチャレンジングな色だと思いますが、そういう色も今回ラインナップしていますので、そういうカラーバリエーションを楽しんでいただきたいですね。

また内装も、ハイラインパッケージを選んでいただくと、レザーが選択できますので、私個人としてはホワイトのレザーとシートの相性、特にMスポーツではこの白のシートとともに、ルーフライナーがブラックになりますので、強いコントラストがつきます。白のシートは汚れたりなどの心配がありますが、ぜひそこを乗り越えて一度見てみていただきたいですね。


《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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