F1 新車続々…9連覇狙うメルセデス「W13」は3季ぶりの銀色、フェラーリ2022年型の名は「F1-75」

メルセデス「W13」(上)とフェラーリ「F1-75」
  • メルセデス「W13」(上)とフェラーリ「F1-75」
  • メルセデスW13(初走行)
  • メルセデスW13(初走行)
  • メルセデスW13(初走行)
  • メルセデスW13(初走行)
  • メルセデスW13(初走行同日の発表会)
  • メルセデスW13(初走行同日の発表会)
  • #44 ルイス・ハミルトン(左)と#63 ジョージ・ラッセル

F1の2022年型マシン発表が続いている。18日にはコンストラクターズタイトル9連覇を狙うメルセデスが「W13」をシルバー基調のカラーリングで発表、その前日には完全復活が待望される名門フェラーリが「F1-75」を発表した。

◆チーム部門V9と再びの王座独占を狙うメルセデス

昨季2021年、ドライバーズチャンピオンの座こそレッドブルのマックス・フェルスタッペンに土壇場でもっていかれる格好になったものの、メルセデスは8年連続でコンストラクターズタイトル(チーム部門王座)を獲得、最も速いF1マシンの称号は譲らなかった。今季2022年は9連覇と2年ぶりのダブルタイトル独占を目指し、「W13」(Mercedes-AMG F1 W13 E Performance)で戦う。

空力の規則が大幅に変わったシーズンということもあり、カタチについては例年以上に発表段階で多くを議論できる状況にないわけだが、W13は18日の英国シルバーストンにおける発表会&初走行とされる映像や画像と、同日に公布されたスタジオ撮り(と思われる)画像との間にも、フロントウイング翼端やシャークフィン等の違いが見受けられる。こうした“状況”あるいはその“解釈”というところは日々変わってもいきそうだが、今後、2回のプレシーズンテストから開幕戦に向かう流れのなかでも、観る者を惑わすのだろうか?

メルセデスは今季、カラーリングが変わるようだ。過去2シーズンは黒基調のカラーリングで戦っていたが、「W13」はシルバー基調のそれで発表された。チーム伝統の“シルバーアロー”でシーズンを戦うことになれば、2019年以来3シーズンぶりとなる。

(*2020年のW11は当初シルバー基調だったが、7月の開幕戦を前に、地球規模での差別問題根絶や多様性拡大等を目指すチーム理念を象徴して黒基調に変更された。今季以降もチームはもちろんそれら理念を継承、発展させていく)

メルセデスの今季ドライバーは、昨季惜しくも自身5連覇と通算8冠目を逃したルイス・ハミルトンと、ウイリアムズから昇格移籍のかたちになるジョージ・ラッセル。ハミルトンは現在7回でミハエル・シューマッハと並んでいるF1個人タイトルの数を単独最多へと伸ばす挑戦に再度取り組む(チーム在籍は10年目)。なお、ドライバーのレーシングスーツは(発表画像等を見る限り)黒基調が継続されるものと思われる。

大きなチャンスを得た若手ラッセルは、2020年の終盤にハミルトンがコロナ陽性となって欠場した際にメルセデスでの自身初戦を戦った経験があり、その際には不運もあって良い結果は残せなかったが、優勝を争えるレベルのマシン&チームでの実戦に即、適応してみせた。そのレギュラーシートを得て、どんな活躍を演じるかが注目される存在である。

◆名門フェラーリは「F1-75」で“復権”を目指す

そして前日の17日には、F1界きっての名門、フェラーリも新車を発表している。こちらはもちろん、伝統である赤を纏っての登場だ(その色合いはフェラーリ・スタイル・センターが新たに開発したというもの)。

フェラーリといえばF1マシンの命名法に継続性がないことも伝統。過去5シーズン、2017~21年のマシン名を見ても、「SF70H」、「SF71H」、「SF90」、「SF1000」、「SF21」という具合で、様々なアニバーサリー&メモリアルナンバー等を一貫性なく使用しているのが特徴だが、今季2022年型は「F1-75」と命名された。

この「F1-75」なる車名は2月1日に先行発表されており、そこでは「エンツォ・フェラーリが(75年前の)1947年3月12日にマラネロで125Sのエンジンを初めて始動させた」との歴史と、「フェラーリ初とされるプロダクションカー(125S)が工場を出てから75年」という記念の意味合いの“75採用経緯”が説明されている。

フェラーリが最後にF1のドライバーズチャンピオンを輩出したのは2007年(キミ・ライコネン)。コンストラクターズタイトルからも07~08年の連覇以降、遠ざかっている。ここ2年連続でレースでの優勝さえないが、2020年にコンストラクターズランキング6位にまで沈んだことを考えれば、昨季2021年は同ランキング3位まで盛り返し、一定の復活は遂げたと評せよう。とはいえ、完全復活や“復権”という表現にはまだ遠い。まずは優勝、そしてタイトル戦線復帰が待望されている。

フェラーリの今季ドライバー陣容は、昨季と変わらずにシャルル・ルクレールとカルロス・サインツJr.。ルクレールはチーム在籍4年目、サインツJr.は同2年目となる。確かな実力を誇るコンビで飛躍を狙う(フェラーリも18日にF1-75の初走行を自社テストコースのフィオラノで実施)。

今季初回のF1プレシーズンテストはいよいよ23~25日、スペイン・バルセロナにて開催される予定だ。

《遠藤俊幸》

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