ゴードン・マレーの新スーパーカー、発表1週間で完売…『T.33』は2024年から生産へ

最大出力615psのV12エンジン搭載

平均的スーパーカーよりも車両重量は300kg軽い1090kg

追加のエアロパーツを不要にした「PBLC」システム

ゴードン・マレー T.33
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ゴードン・マレー・オートモーティブ(Gordon Murray Automotive)は2月4日、新型スーパーカーの『T.33』が1月27日の初公開から約1週間で世界限定100台を完売した、と発表した。価格は税抜き137万ポンド(約2億1350万円)で、2024年から生産を開始する予定だ。

◆最大出力615psのV12エンジン搭載

T.33は、『T.50』の下に位置するモデルになる。コスワースが手がけた3.9リットルV型12気筒ガソリンエンジンはミッドシップに搭載され、最大出力615ps/10500rpm、最大トルク46kgm/9000rpmを発生する。11100rpmまで回る高回転志向のエンジンとなる。このエンジンは、T.50用をベースにしながら、T.33向けに専用チューニングが施された。T.50用よりも、扱いやすさが増しているという。このエンジンには、専用のT.33イエローカムカバーが付く。エンジンのすべての要素が再評価され、T.33の走行特性に合わせて、多くのコンポーネントとシステムが新設計されている。

具体的には、新設計のカムシャフト、可変バルブタイミング、エンジンマッピングが導入された。新開発のインダクションインテークシステムやエキゾーストシステムも装備する。エンジンマウントや冷却システムも新しい。その結果、2500rpmで最大トルクの75%を引き出し、4500~10500rpmで最大トルクの90%を発生する。車両重量1トンあたりのパワーは564ps。エンジン単体重量は、178kgとした。

トランスミッションは、XtracがT.33向けに開発した6速MTとパドルシフト付きの「IGS」。このトランスミッションを、低慣性クラッチとLSDを組み合わせる。

ゴードン・マレー T.33ゴードン・マレー T.33

◆平均的スーパーカーよりも車両重量は300kg軽い1090kg

T.33には、軽量カーボンファイバー製モノコックとカーボンファイバー製パネルを備えた「iFrame」を採用した。iFrameは、ねじり剛性と軽量化のバランスを追求しており、平均的なスーパーカーよりも車両重量は300kg軽い1090kgを実現する。独自の「IASM」システムは、リアサスペンションがトランスミッションケーシングに直接取り付けられており、ねじり荷重をシャシーによって支える構造とした。

ブレーキはブレンボ製で、カーボンセラミック(CCM)製のディスクはフロントが370mm×34mm、リアが340mm×34mm。6ピストンのアルミ製フロントキャリパーと、4ピストンアルミ製リアキャリパーを備えている。

アルミホイールは、フロントが19インチ、リアが20インチ。ミシュラン「パイロットスポーツ4S」タイヤは、フロント235/35R19、リア295/30R20サイズを履く。

ゴードン・マレー T.33ゴードン・マレー T.33

◆追加のエアロパーツを不要にした「PBLC」システム

T.33のエアロダイナミクスの面では、「PBLC」システムを採用する。フロントは、車両のフロア下に効率的に空気を送るデザイン。リアのディフューザーは、他のスーパーカーよりも30%高いレベルのエアロダイナミクス効率を可能にしているという。

PBLCシステムによって、T.33では多くのスーパーカーが装備している大型ウイングなどの追加のエアロパーツを不要にした。唯一、アクティブリアスポイラーが装備されており、自動的に展開する。ドライバーが手動で作動させることもできる。このリアスポイラーは、高ダウンフォースモードが選択でき、ダウンフォースを増加させ、エアロブレーキ機能も可能にしている。

インテリアは、シンプルなデザインを重視しており、タッチスクリーンは装備されない。ウインカーは、カーボンファイバー製ステアリングホイールのスポーク部分のボタンで操作する。主要なコントロールはダイヤル式。Apple「CarPlay」とグーグル「AndroidAuto」を標準装備する。右ハンドルと左ハンドルを設定した。

アナログ式のタコメーターは、直径120mm。ペダルはアルミ製とした。カーボン製ステアリングホイールと、特許取得済みのハニカムカーボン構造を採用した「iStream」カーボン製シートを用意する。フロントの収納コンパートメントとサイドに2つのラゲッジロッカーを備えており、合計280リットルの収納スペースを持つ、としている。

《森脇稔》

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