ゴードン・マレー・スペシャル・ビークルズは、スーパーカー『S1 LM』の第1号車が、米ラスベガスのオークションで2063万ドル(約32億円)で落札されたと発表した。
この記録的な落札額は、慈善目的を除く新車オークションとして史上最高額となった。5台限定生産の1台となるこの車両は、英国のドライバー中心主義を掲げる同ブランドの新たなベンチマークとなった。
オークションはラスベガス・フォーミュラワングランプリと連携したamfARチャリティのガラディナーで開催された。S1 LMはヘリコプターに吊り下げられてウィン・ラスベガス会場に降下するという劇的な演出で登場し、「スペシャル・ワン」としての地位にふさわしい舞台を演出した。
会場の参加者と世界中のリモート入札者による激しい競り合いの末、この記録的な落札価格が実現した。
落札者には、希少で美しいスーパーカーの所有権に加え、特別な顧客体験が提供される。ゴードン・マレー氏との個別仕様決定セッション、インディカー4回チャンピオンでインディ500を3回制したダリオ・フランキッティとの開発ドライブ、GMSVチームへの独占アクセス、最終車両開発への参加などが含まれる。
さらに、ゴードン・マレーのデザインノートからのオリジナルスケッチやメモを含む、S1 LM製作の記録をまとめた500ページのモノグラフも提供される。
ゴードン・マレー氏は「このオークション世界記録は、私たちのチーム全体と自動車業界にとって画期的な瞬間だ。S1 LMは、私が60年間のデザインで学んだすべてを表現している。純粋な運転の完璧さ、エンジニアリングアート、そして真の美への回帰だ。この規模の評価を得られたことは本当に光栄だ」とコメントした。
S1 LMは、ゴードン・マレーの伝説的なマクラーレン『F1 LM』を想起させる名前を持つ、ゴードン・マレー・スペシャル・ビークルズ初の最も限定的な作品だ。わずか5台のみが製造され、それぞれが軽量エンジニアリングと時代を超越したデザインの傑作となるという。
主な特徴として、1995年のル・マン優勝マクラーレン『F1 GTR』を称えるアイコニックなスタイリング、最高出力720PSを1万2100rpmで発揮する4.3リットルV12エンジン、新たに最適化された6速マニュアルトランスミッション、レース由来で公道向けに完成されたサスペンション、超軽量カーボンファイバーパネルで構成された全く新しいボディ、独特の芸術的ディテールを特徴とするネイキッドポリッシュカーボンファイバーインテリアなどが挙げられる。
S1 LMのすべての要素は、ゴードン・マレーの7つの原則、すなわち運転の完璧さ、軽量性、エンジニアリングアート、美への回帰、独占性、顧客体験を体現している。
S1 LMは2025年8月のモントレー・カーウィークで発表された。歴史的なラスベガスオークション以外の残り4台の所有権に関する詳細は公表されていない。





