BMWが電動キックボードのライセンスを付与、市販モデル発表へ…IAAモビリティ2021

都市部の個人ユーザー向けの電動キックボード

前輪にハブモーターを搭載

都市部での使用に対応した航続

BMW コンセプト・クレバー・コミュート
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BMWグループは9月3日、電動キックボードの『コンセプト・クレバー・コミュート』のライセンスをSoFlowに付与し、市販モデルの『SoFlow コンセプト・クレバー・コミュート・インスパイアード by BMW』として、9月6日に開幕するIAAモビリティ2021で初公開すると発表した。

SoFlowは、ラストマイルのモビリティソリューションを提供するために、2015年にスイスで設立された。同社は、さまざまな用途向けのeスクーターやeボードなど、マイクロeモビリティ車両を設計、開発、製造している。SoFlowは、eモビリティ製品をすべての人が利用できるようにするビジョンを掲げており、ライフスタイルに合った交通手段を選択する機会を提供し、ゼロエミッションでの移動を追求している。

都市部の個人ユーザー向けの電動キックボード

BMWグループはすでに、革新的なマイクロモビリティソリューションとして、BMWモトラッドの『X2シティ』や『パーソナル・ムーバー・コンセプト』、BMW『ビジョンE3ウェイ』などを提案してきた。電動キックボードのコンセプト・クレバー・コミュートの発表により、BMWグループのエンジニアは、自動車のノウハウをマイクロモビリティに拡大する能力を再び実証するという。

電動キックボードは、欧州では短時間から利用できるシェアリングシステムの普及のおかげで、都市の移動手段として確固たる地位を築いている。電動キックボードは、柔軟性に富んだ使いやすさ、ゼロエミッション、移動中の「ラストマイル」などの点で、都市部のユーザーを目的地に迅速に到達させる能力を持つ。

一方、シェアリングシステムと比較して、個人が所有する電動キックボードの普及は、欧州では比較的遅れていた。安全に乗れる頑丈なモデルは、サイズが大きいため、公共交通機関や車での移動が困難であり、小型で持ち運びに便利なモデルは、乗り心地が悪いという欠点があったという。

前輪にハブモーターを搭載

BMWグループのコンセプト・クレバー・コミュートは、快適な乗り心地を備えながら、簡単に折りたたんで公共交通機関に持ち込んだり、車に搭載できたりする電動キックボードとして開発された。日常の使用に適した人間工学に基づいたデザインを採用している。

公共交通機関モードでは、キックボードは側面で折りたたまれ、後輪は下側の開口部に回転して格納される。このメカニズムにより、コンセプト・クレバー・コミュートの全長は短縮され、エスカレーターに載せて運ぶことが可能になる。移動中、地下を通る場合、コンパクトに折りたためるのは重要という。このモードでは、スーツケースのように、地面を転がすこともできる。

また、前輪に組み込まれたハブモーターは、コンセプト・クレバー・コミュートを加速させるのに充分なパワーを発揮する。折りたたんだ時のコンセプト・クレバー・コミュートのコンパクトなサイズは、欧州の多くの公共交通機関に追加料金なしで持ち込めるという。

都市部での使用に対応した航続

コンセプト・クレバー・コミュートは、自動車のトランクに簡単に収まるサイズに折りたたむことができる。たとえば、BMW『3シリーズ』のトランクには、後席背もたれを倒すことなく、縦方向に積載できる。MINIのトランクには、横向きに積むことができる。BMWグループによると、パーク&ライドに最適という。また、コンセプト・クレバー・コミュートは、都市部での使用に対応した航続を可能にする。また、バッテリーは取り外して自宅で充電できる設計とした。

BMWグループはコンセプト・クレバー・コミュートのライセンスをSoFlowに付与し、市販モデルのSoFlow コンセプト・クレバー・コミュート・インスパイアード by BMWとして、IAAモビリティ2021で初公開する。

SoFlowのManuel Hug共同創設者兼CEOは、「BMWグループとの新たなコラボレーションは、BMWのパーソナル・ムーバー・コンセプトのライセンス取得に続くもの。マイクロeモビリティ車両の分野での開発に、ノウハウを活かすことができる。この革新的なコンセプトが、すぐに実現することを楽しみにしている」と語っている。

《森脇稔》

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