【キャデラック XT4 新型試乗】競合ひしめく中でキャラの確立はできるか…九島辰也

キャデラック XT4
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アメリカンモダンラグジュアリーを表現したデザイン

キャデラックSUVの末っ子『XT4』がようやく日本上陸した。アメリカでは随分前からラインアップに加わっていたので、「ようやく」という気がする。もちろん、この間コロナウィルスの影響があったのは確か。北米のGM工場は一時生産ラインを止めていたようだ。

その特徴だが、サイズからして日本でも扱いやすいカテゴリーに入る。全長4605mm、全幅1875mmは最近の売れ筋SUVの範疇にあると言える。ただその分競合がひしめき合っているのは確か。ドイツ勢、英国勢もそうだし、日本勢もその中に入る。となると、キャラを確立するのが必要かもしれない。

キャデラック XT4キャデラック XT4
キャラクター要素の一つとしてデザインが挙げられる。ヘッドライト周りの意匠は有機的であり個性的だ。最近フランス車の一部にこの傾向が見られるが、ドイツ車とは別路線。見ようによってはアメリカンモダンラグジュアリーをうまく表現している。

それとインターフェイスも今時のアメリカ風。カラーのヘッドアップディスプレイやリアカメラミラーがそんな感じだ。シリコンバレーを有する国だけに、その辺はどんどん進化するであろう。

グレードで大きく異なるキャラクター

キャデラック XT4キャデラック XT4
エンジンは2リットル直4ユニットを搭載する。これは『CT5』と同じだが、縦置きを横置きに変更した。よって組み合わされるギアボックスも当然異なり、こちらは自社製のFF用9速ATを採用する。つまり、XT4のAWDはFFベース。8速と9速はオーバードライブなので、高速走行時の省燃費に役立ちそうだ。

走った感じはかなり乗り心地が良く、快適な仕上がりに思えた。サイズ以上に軽快さもあり、ハンドリングが気持ちいい。アクセルを強く踏み込むと一瞬トルクステアが生じるがそれも許容範囲。ステアリングや足がバタつくことなく、思った以上の加速を体感させてくれる。

じつはおおよそ2か月前にXT4に乗ったのだが、今回それとは異なる印象だった。もっと乗り心地は硬めでコーナリングは安定しているものの、フツーに乗っている時に路面状況が悪いところでバタつく印象があったのだ。

キャデラック XT4キャデラック XT4
ただ、これにはわけがあった。今回ステアリングを握ったのは「XT4プレミアム」というグレードで、前回は「XT4スポーツ」だったからだ。違いは18インチと20インチというタイヤサイズとサスペンションの制御。XT4スポーツにはリアルタイムダンピングサスペンションが装着されていた。要するにその名の通り、かなりスポーティに味付けられている。となると、どちらがいいとかではなく、好みの問題。どんな用途なのかでグレードの選択が変わってくるだろう。

ちなみに、この2つのグレードの他にXT4スポーツと同じ20インチタイヤを履きながらリアルタイムダンピングサスペンションを装着しない「XT4プラチナム」というのもある。この辺が前述した2タイプの折衷案なのだろうか。微妙に乗り味が異なるのは想像できる。次回はこれを試乗してみたいところである。

キャデラック XT4キャデラック XT4

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★

九島辰也|モータージャーナリスト
外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの"サーフ&ターフ"。 東京・自由が丘出身。

《九島辰也》

九島辰也

九島辰也|モータージャーナリスト 外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの“サーフ&ターフ”。東京・自由が丘出身。

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