マーチとウーノは何故そっくり? 有名どころの意外な“似たもの同士”【懐かしのカーカタログ】

日産マーチ(上)とフィアット・ウーノ(下)
  • 日産マーチ(上)とフィアット・ウーノ(下)
  • 日産マーチ
  • フィアット・ウーノ
  • ホンダ・トゥデイ
  • ルノー・トゥインゴ
  • フィアット・パンダ
  • ホンダZ
  • スバル・B9トライベッカ

“似たもの同士シリーズ”の打ち止めの回として、今回は有名どころのペア、現行モデルなどを含めて当時のカタログとともに振り返りたい。

日産マーチ/フィアット・ウーノ

日産マーチ日産マーチ
1982年、日産の新規コンパクトカーとして登場したのが初代『マーチ』。整備重量69kgと、軽自動車用エンジン並の小型・軽量化(当時の広報資料より)を果たした新開発4気筒987ccエンジン(MA10型)を搭載。先例の『サニー』同様に車名は公募によるもの。“マッチのマーチ”の近藤正彦のCMは有名。

一方1983年の本国デビューだったフィアット『ウーノ』は、前身の『127』と後の『プント』へと続く、フィアットの代表的コンパクトカー。日本市場へも複数のインポーターからCVTモデルやターボ仕様のアバルト、5ドアなど、さまざまなグレードが輸入された。

フィアット・ウーノフィアット・ウーノ
この『ウーノ』はG・ジウジアーロが手がけたこの時期のコンパクトカーの典型的デザインだったが、『マーチ』と見較べると、類似性が見てとれる。日産からの公式発表はなかったものの、海外のG・ジウジアーロの書籍には、彼が関わったとされる記述、『マーチ』の写真も。

ホンダ・トゥデイ/ルノー・トゥインゴ

ホンダ・トゥデイホンダ・トゥデイ
ホンダ・トゥデイの登場は1985年。軽自動車の常識を破る低く個性的なスタイルのために、エンジンは水平・横置きとされた。同時代のホンダ車のワンダー『シビック』、『アコード・エアロデッキ』に通じる低全高、ロングルーフ&ロングホイールベースのフォルムは、鮮烈な存在感があった。

ルノー・トゥインゴルノー・トゥインゴ
そして1992年にルノーから登場した初代『トゥインゴ』は、欧州Aセグメントのコンパクトカーだが、後席に170mmのスライド機構や左右分割可倒、チップアップなど多機能を持たせた実用車だった。『トゥデイ』との“ペア”も、『マーチ』と『ウーノ』と同様に有名どころの似たもの同士だ。

フィアット・パンダ/ホンダZ

フィアット・パンダフィアット・パンダ
フロントガラスまでフラットな初代フィアット『パンダ』は、合理性を絵に描いたようなコンパクトカーだった。1980年の登場で、G・ジウジアーロがデザインのみならず設計も手がけている。初期型の内装は、ハンモック状の脱着可能なシート、バッグなどもポンと置ける物入れ兼用の便利なインパネなどが特徴。

ホンダZホンダZ
一方で1998年に登場したホンダ『Z』は、“水中メガネ”と呼ばれた往年の車名を受け継ぐも、175/80R15サイズのタイヤを履き、やや背の高いラギッド感あふれるクロスオーバーなムードのクルマだった。初代『パンダ』ほどボディが平面ではなく、少々こじつけなのでは?と思われるかも知れないが、両車の雰囲気に相通じるものがあったのではないだろうか。

スバル・B9トライベッカ/アルファロメオ・ステルヴィオ

スバル・B9トライベッカスバル・B9トライベッカ
2005年に北米市場をメインに投入されたのが『B9トライベッカ』。3列/7名乗りのSUVで、写真のカタログに載っているボディサイズは全長4822mm×全幅1878mm×全高1686mm、ホイールベース2749mm。搭載エンジンは3リットルの水平対向6気筒。

結局、日本市場への導入は見合わせとなったが、もしも今なら受け入れられたのでは? そしてフロントマスクは後期型ではプレーンなものに改められたが、初期の航空機由来の“スプレッド・ウイングス・グリル”は存在感があった。

アルファロメオ・ステルヴィオアルファロメオ・ステルヴィオ
このフロントデザインを連想したのが、後にアルファロメオから登場、現役モデルでもある『ステルヴィオ』。こちらは“アルファロメオ顔”ではあるが、『B9トライベッカ』とはグリル、サブグリル、ランプの構成要素と配置に共通点が見受けられる。

アルファロメオ・ジュリエッタ/マツダCX-30

アルファロメオ・ジュリエッタアルファロメオ・ジュリエッタ
2010年、アルファロメオ創立100周年の年に登場したのが『ジュリエッタ』。往年の名車の名を再び用いたモデルで、大ヒットとなった『147』の後継でもあった。高性能版のエンジンに往年のクルマと同じ1750(1742cc)のエンジンなども設定。スタイリングもエンジンサウンドを始め、手応えのある走りが楽しめるのも魅力のひとつ。

マツダCX-30マツダCX-30
そしてもう1台取り上げるのがマツダ『CX-30』。同車SUVラインのなかではひと味異なる文脈の、小気味よくスタイリッシュなスタイルが魅力の現役モデルである。で、この2車のリヤビューが“近い”と思わせられる。丸と横ラインの組み合わせで点灯するリヤコンビランプ、キュッと引き締まった造形がそう思わせられる。カッコいいクルマの文法のひとつといったところか。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

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