ハマー、10年ぶりにEVで復活…1000馬力の高性能ピックアップトラックに[動画]

0~96km/h加速はおよそ3秒

1回の充電での航続は最大563km

「カニ歩き」で移動できる4輪ステアリングシステム

GMC ハマー EV
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GMのGMCブランドは10月20日、『ハマーEV』(GMC HUMMER EV)を米国で発表した。

GMは2010年2月、傘下のハマーブランドの売却に関して、中国・四川省の重工業メーカーの四川騰中重工機械と結んだ契約を白紙撤回すると発表した。中国政府からハマー買収の認可が下りなかったことが、白紙撤回の理由とされた。

GMはこれを受け、ハマーブランドの廃止を決定した。GMの米ルイジアナ州シュレブポート工場では2010年5月、『H3』の最終モデルがラインオフし、ブランドの歴史に幕を下ろした。

およそ10年ぶりの復活となるハマーは、GMCブランドのEVピックアップトラックとして登場した。ハマーEVは、パワフルなEVパワートレインと搭載する高性能ピックアップトラックだ。

0~96km/h加速はおよそ3秒

ハマーEVには、3モーター+4WDの「e4WD」システムを搭載する。このシステムは、トルクベクタリング機能を備えており、最大出力1000hp、最大トルク1590kgmを獲得する。0~96km/h加速は、およそ3秒の性能を可能にしているという。

ハマーEVには、GMの部分自動運転機能、「スーパークルーズ」の最新バージョンが設定される。米国とカナダの総延長およそ32万km以上の高速道路において、ステアリングホイールから手を離して、ハンズフリーで運転できる。システムが車線変更を判断する新開発の車線自動変更機能を採用している。

「インフィニティルーフ」は、取り外し可能な透明なスカイパネルで、車両の前部の「フランク」(トランク)スペースに収納できる。パワーリアドロップガラスとパワートノカバー、「MultiPro」テールゲート、13.4インチのインフォテインメントスクリーンと12.3インチのドライバーインフォメーションセンターディスプレイが装備されている。

1回の充電での航続は最大563km

ハマーEVは、GMの新世代EVパワートレインの「アルティウム・ドライブ」をベースにしている。中でも、「アルティウム・バッテリー」は、大容量のパウチ型セルをバッテリーパック内で垂直にも水平にも積み重ねることができる方式を採用した。これにより、エンジニアは各車両のデザインに応じて、バッテリーの蓄電容量やレイアウトを最適化することができるという。

アルティウム・バッテリーの蓄電容量は、50~200kWhと幅広い。ハマーEVの場合、航続はフル充電で最大563kmを想定している。バッテリーの充電は、800ボルトのDC急速充電に対応する。出力350kWのDC急速充電ステーションでも充電することができる。

オフロード向けの「エクストリーム・オフロード・パッケージ」には、18インチホイール、35インチのグッドイヤー「ラングラー・テリトリーMT」タイヤ、アンダーボディアーマー、ロックスライダー、アンダーボディカメラがセットされている。

「カニ歩き」で移動できる4輪ステアリングシステム

ハマーEVには、「クラブウォーク」と呼ばれるモードが用意される。カニは英語で「クラブ」。クラブウォーク(カニ歩き)は、4輪ステアリングシステムによって、最小回転半径を短くする技術となる。セグメントをリードする「エクストラクトモード」を備えたアダプティブエアサスペンションも、オプションで選択できる。

ハマーEVは、米国ミシガン州デトロイトのハムトラムク工場を改修したEV専用工場、「ファクトリーゼロ」において、2021年後半から生産が開始される予定だ。ファクトリーゼロは、GMのマルチブランドEV戦略の出発点になる工場だ。GMはファクトリーゼロへの改修に22億ドルを投資し、EVだけを量産する工場に変更する。

《森脇稔》

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