【ホンダF1 2020】“7月開幕”を前に開発総責任者の浅木氏が意気込み…「ここに至って“2位”はない。目標はチャンピオン」

レッドブルRB16・ホンダ(今年2月のバルセロナ合同テスト)
  • レッドブルRB16・ホンダ(今年2月のバルセロナ合同テスト)
  • レッドブル・ホンダのM.フェルスタッペン(今年2月のバルセロナ合同テスト)
  • レッドブル・ホンダのA.アルボン(今年2月のバルセロナ合同テスト)
  • レッドブル・ホンダのテストシーン(今年2月のバルセロナ合同テスト)
  • アルファタウリAT01・ホンダ(今年2月のバルセロナ合同テスト)
  • アルファタウリAT01・ホンダ(今年2月のバルセロナ合同テスト)
  • アルファタウリ・ホンダのP.ガスリー(左)とD.クビアト(2月の体制発表会にて)
  • ホンダの浅木泰昭氏(写真は2019年日本GP)。

7月3~5日のオーストリアGPでついに開幕する予定の2020年F1世界選手権。初戦開始を10日後に控えた6月23日、ホンダのパワーユニット開発総責任者である浅木泰昭氏がオンラインでのシーズンプレビュー会見に臨み、今季の目標等を語った。

コロナ禍により異例の“7月開幕”となる今季F1も、いよいよ開戦ムードが高まってきている。現段階でスケジュールが固まっているのは7月~9月上旬の欧州開催8レース。同じサーキットでの連戦という特例的措置も含む、10週で8レース開催の強行軍からシーズンが始まる。

ホンダは今季も2チームにパワーユニット(PU)を供給。レッドブルとは2年目、アルファタウリ(旧トロロッソ)とは3年目の共闘になる。ドライバーは昨季後半と同じ布陣で、レッドブル・ホンダがマックス・フェルスタッペン(昨季3勝)とアレクサンダー・アルボン(昨季最高4位)、アルファタウリ・ホンダがダニール・クビアト(同3位)とピエール・ガスリー(同2位)だ。

そしてホンダのPU開発総責任者としてドライバーたちとともに戦うのが、本田技術研究所の浅木泰昭氏である。浅木氏は1980年代に当時第2期だったホンダのF1参戦活動に参画し、その後はレジェンドやオデッセイのエンジンを担当。21世紀になってからはN-BOXの開発責任者を務めるなどして、2013年には執行役員に。17年にホンダF1の“本拠”であるHRD Sakura(栃木県)の研究領域担当執行役員となり、翌18年からHRD Sakuraのセンター長とF1プロジェクトのLPL(ラージプロジェクトリーダー)を兼務している。

今回はオンラインでのシーズンプレビュー会見となったが、待望の開幕を前に浅木氏は昨季の戦いを分析しつつ、冷静かつ熱い想いを語ってくれた。

浅木氏はまず、2015年のF1復帰以降(第4期)におけるホンダの初優勝を含む3勝をあげた昨季(19年)の戦いを振り返り、オーストリアGPでのシーズン1勝目の際には「ホッとしました。Sakuraに来た役割をひとつ果たせたと思いました」という、約1年前の率直な感情を吐露してくれた(ちなみにオーストリアGPは今季の開幕戦になった。第2戦シュタイアーマルクGPも同じレッドブルリンクにて連戦実施の予定)。

しかし、この時も内容等を鑑みた場合に「勝ったけれども、PU開発の目標達成という面ではまだ疑問でした」と浅木氏は語る。PUとしての目標は「メルセデスのPUに追いつく」というものであった。

(*浅木氏が示した資料によれば、ホンダはPUの競争力としてはフェラーリ製がここ最近はメルセデス製を上回りトップ、と観測している模様)

その目標に浅木氏が一定の成功を感じたのは、シーズン終盤のブラジルGPだ。このレースではレッドブル・ホンダのフェルスタッペンがシーズン3勝目をあげるのだが、やや乱戦模様と化したレース最終盤の状況下でガスリーのトロロッソ・ホンダと王者ルイス・ハミルトンのメルセデスが白熱のバトルを展開し、最後はホームストレートで“ドラッグレースでの2位争い”を演じてもいた。浅木氏は「先にいっていたフェルスタッペンより、そっちが気になって仕方なかったですね」と振り返る。

ホンダ(ガスリー)はメルセデス(ハミルトン)とのパワー勝負を制して先着、見事に2位を得た。「(優勝とは)違う意味の感慨がありました」と浅木氏。「このレースにおいてはメルセデスのPUと対等に戦えた、それが分析とかではなく、コース上の“ガチ”の戦いの位置付けで示されたと思います」。

ホンダにとって28年ぶりの1-2フィニッシュは、「このレースにおいては」との浅木氏らしい厳しい条件付ではあるが、PU開発の面でもひとつの目標達成となったレースであった。

(*ハミルトンはゴール後、ガスリーとのバトルとは関係ない件で5秒加算ペナを受けており、3位から7位に降格)。

そうした昨季を経ての今季2020年だけに、浅木氏の目標も当然、頂点を見据えたものになる。

「ここに至って(シリーズ)2位が目標です、なんてことはないですから、シリーズチャンピオンが目標になると思います。我々(ホンダ)としては最低でも、メルセデスと(常に)五分のPUになった、というところまでもっていきたい。メルセデス、フェラーリ、レッドブル・ホンダ(の当代3強チーム)のどこが勝ってもおかしくない、という状況で一年を過ごし、結果としてシリーズチャンピオンが獲れたらな、というのが今の私の目標になります」

そういえば最近、日本のスパコンが世界1位を奪還したというニュースがあり、某有名議員の「2位じゃダメなんですか」というかつての発言が再注目されたりもしているが、スパコン界の事情はさておき、自動車レースの世界においてはまずもって「2位じゃダメ」である。

ホンダは1991年を最後にドライバーズチャンピオンとコンストラクターズチャンピオンの獲得(輩出)がないが、第4期に入り最大の期待値をもって臨めるシーズンであることは間違いないだろう。もちろん決して簡単な話ではないが、昨季優勝コースのレッドブルリンクでの2連戦から始まる今季、“日本の誇り”ホンダF1の真なる復権に期待をかけたい。

《遠藤俊幸》

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