「自動運転時代」の駅前広場など都市再生の検討が必要…内閣府 地方創生推進事務局 参事官 森本励氏[インタビュー]

「自動運転時代」の駅前広場など都市再生の検討が必要…内閣府 地方創生推進事務局 参事官 森本励氏[インタビュー]
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5月29日開催オンラインセミナー「スマートシティ2020」(参加費無料)に登壇する内閣府地方創生推進事務局参事官の森本励氏にスマートシティと未来技術社会実証事業について聞いた。

スーパーシティは複数分野を同時推進

---:内閣府地方創生推進事務局とは?

森本氏:地方創生の推進に向けて、関連する法律・予算・制度の運用を担当している部局です。私の部署は、都市再生を担当しており、大手町周辺や渋谷駅周辺などで高層ビルの容積率の制限緩和や税制優遇などを行う「都市再生緊急整備地域」を、これまで全国52地域で指定しております。

都市再生の取組の一環として、平成30年(2018年)から、未来技術社会実装事業の取組を進めています。都市における人々の生活の営みや経済活動をよりよいものにするために、今後どのようなまちづくりをすればよいのか、ビジョンを検討し、課題解決策を考えますが、その実現のため、未来技術をどのように活用するかといった点も重要な視点です。

---:スーパーシティとスマートシティの違いは?そして未来技術社会実装事業の位置づけは?

森本氏:スーパーシティとスマートシティはどちらも省庁横断的な取組みで、私たちが担当している未来技術社会実装事業は、スマートシティの取組の1事業として実施しています。一方、スーパーシティは、内閣府地方創生推進事務局の別の部署が担当していて、交通・医療・金融など複数の分野で大胆な規制改革を必要とするような先端的サービスを展開することなどを要件として、未来の生活の前倒し実現に挑戦するエリアを選定していくこととしています。現在、スーパーシティを推進するために、国会で、国家戦略特別区域法を改正する法律の審議をしていただいています。

自動運転に関する事業が3分の2とニーズが高い

---:未来技術社会実装事業のこれまでの取組みは?

森本氏:未来技術社会実装事業は、新しい技術を活用して、地方創生を目指す取組みです。具体的な技術は、AI、IoTや自動運転、ドローンなどです。先導性と横展開の可能性などに優れた提案を行う自治体に対して、社会実装に向けた現地支援体制をつくって支援しています。

2018年度には14事業、2019年度には8事業を選定しました。意図したわけではないのですが、自動運転に関する事業が3分の2を占めています。

---:選定された事業をいくつかご紹介ください。

森本氏:北海道の岩見沢市と更別村では、世界トップレベルの「スマート一次産業」の実現に向けて無人のトラクターの活用を進めています。埼玉県の川口市では、自動運転バスやパーソナルモビリティを用いて、人材育成や交通不便地域の解消に対する取組みが行われました。また多摩ニュータウンや千里ニュータウンと並び日本三大ニュータウンとして知られる、愛知県の高蔵寺ニュータウンでは相乗りタクシーの実証実験やゴルフカートを用いたゆっくり自動運転の実証実験が実施されました。大阪府の河内長野市では、団地住民約60名がゴルフカート(グリーンスローモビリティ)のドライバーや予約などの運営側メンバーになり、自分たちの移動手段の確保に取組んでいます。

2020年度も未来技術社会実装事業に対する公募を2020年4月から募集しています。新型コロナウィルスの関係で、募集期間を6月1日までに延長しました。

自動運転と都市のあり方の検討が必要

---:新型コロナウィルスの影響や今後大切になってくる検討事項は?

森本氏:都市再生事業は、着工してから竣工までに最低3年はかかりますし、建物や広場は建設されると50~100年という長いスパンで使用されます。すぐに都市再生の計画が変更になることはありません。しかし、新型コロナウィルスの感染拡大により、働き方や住まい方などが変化してくるかと思いますので、その対応が必要です。

また、無人の自動運転が実用化するまで、時間がかかります。地域限定的な利用であったり、自動運転車両以外の車両と混在する時期も続きます。しかし、いずれは無人の自動運転車が走る時代がやってくるでしょう。無人の自動運転が走る時代には、駅前広場に駐車場の必要性は小さくなるでしょう。その代わりに、駅前に自動運転車から乗降りしやすい場所を確保するとともに、イベント広場をつくったり、人が歩く空間をもっと増やすことができるでしょう。無人の自動運転が実用化になる時代の都市のあり方を考えながら、まちづくりを行っていく必要があります。

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《楠田悦子》

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