コロナショックで“火の車”、三菱自動車も3000億円規模の融資要請[新聞ウォッチ]

三菱デリカD:5
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  • 4月28日、東京銀座

気になるニュース・気になる内幕。今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析する新聞ウォッチ。…………

大型連休明けの5月6日に期限を迎える新型コロナウイルスに関する「緊急事態宣言」が、少なくとも5月末まで延長される可能性が濃厚のようだ。「抗体検査5.9%陽性」と報じた、きょうの東京を除く各紙が1面トップ記事として取り上げている。

安倍首相は4月29日の参院予算委員会で緊急事態宣言を巡り「残念ながら現状でも感染者の累計、新たな感染者数においても増加が続いている。果たして5月6日にこれで緊急事態が終わった、と言えるかどうかは依然厳しい状況が続いている」との認識を示したもので、5月1日に開く専門家会議の意見や感染状況を見極めたうえで最終判断するという。

不要不急の外出自粛要請がしばらく続くことになるが、大型連休明けに集中する大手企業の2020年3月期決算説明会も、ウェブ中継によるオンライン会見になるようだ。

その決算発表だが、自動車メーカーでは、すでに、日産自動車が850億から950億円程度、三菱自動車も260億円の大幅な最終赤字に転落する見通しを発表している。こうした中、三菱自動車も三菱UFJ銀行など複数の金融機関に対し、合計で3000億円規模の融資要請をしたことが明らかになったと、4月29日付の日経などが伝えた。それによると、安定的な事業運営のための資金は確保しているが、新型コロナウイルスの感染拡大が長期化する恐れがあることを見据え、手元資金を厚くしておく狙いがあるという。

自動車業界では、トヨタ自動車が三井住友銀行と三菱UFJ銀に計1兆円、日産自動車もみずほ銀行や三井住友銀などに5000億円規模の融資枠設定をそれぞれ要請したことが判明している。過去の苦い経験から慎重で用心深く潤沢な手元資金を貯めているトヨタは別として、日産や三菱自動車は、一連の検査不正問題やゴーン事件の後遺症に、コロナショックが追い打ちをかけて台所事情は“火の車”状態になりかねない。日産デイズ日産デイズ

2020年4月30日付

●新型コロナ、緊急事態宣言延長へ(読売・1面)

●欧米航空業界コロナ急降下、ボーイング680億円赤字1~3月(朝日・5面)

●米GDPマイナス4.8%、1~3月11年ぶり低水準(毎日・1面)

●3000億円規模融資、三菱自動車要請、政投銀などに(毎日・6面)

●米グーグル増益確保、広告収入失速、伸び率低調(産経・5面)

●GW静まり返る観光地(日経・23面)4月28日、東京銀座4月28日、東京銀座

《福田俊之》

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