横須賀市、AI運行バスの実証実験開始---病院の電子カルテシステムなどとも連携

「AI運行バス」運行エリア図および乗降ポイント(35か所)
  • 「AI運行バス」運行エリア図および乗降ポイント(35か所)
  • 実証全体概要

横須賀市、京急電鉄、NTTドコモ、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の4者は、全国初となる、地域サービスのシステムと連携した「AI運行バス」の実証実験を2019年12月9日から2020年2月24日まで実施する。

ドコモのAI運行バスは、利用者のスマートフォンアプリや、コールセンターへの電話依頼による配車予約に応じて、AIがリアルタイムに乗車車両を決定。時刻表に縛られることなく移動できるだけでなく、乗客に地域の施設や店舗の情報発信とクーポン配布ができる集客サポート機能も搭載している。

横須賀市は、人口減少や高齢化という背景の下、移動に関するさまざまな問題に直面している。そのような中、産官学が一体となって社会課題の解決や地域活性化を進めるヨコスカ×スマートモビリティ・チャレンジを展開している。今回、その取り組みの一環として、横須賀市内にてバス路線がないエリアの1つである逸見地区およびその周辺に住む住民を対象に、新たな交通手段として「AI運行バス」を運行。医療施設や商業施設、健康増進施設などを連携させることで、利便性向上と健康増進、社会保障費抑制や地域経済活性化をめざした実証実験を開始する。

実証実験では、横須賀共済病院と協力し、電子カルテシステムとAI運行バスのシステムを連携。病院予約の前日リマインド通知と連携したAI運行バスの予約を可能とする。これにより、通院忘れの防止や、通院時における交通の利便性向上による確実な来院をめざす。

また、京急ストアと協力し、健康レシピなどを利用者の好みに応じてAIが提案するアプリ「FitFood」から、AI運行バスの利用者アプリを呼び出せるようにすることで、必要な食材の購入のために、地域内の「京急ストアFHaB湘南池上店」へ来店する意向をもつ利用者数を把握。そのほか、AI運行バスのシステム上で、同店舗で開催されるイベント情報のプッシュ発信や、来店時に使えるAI運行バス乗車クーポンの提供による来店者数の推移を検証するとともに、外出機会の創出を促しながら、健康的な食生活につなげる取り組みを進める。

ドコモは、高齢者向けスマートフォン教室の開催や、ドコモショップ横須賀店に「AI運行バス」の乗降ポイントを設置するなど、気軽にスマートフォンについて相談できる環境を整えるとともに、スマートフォンからの配車予約については、運行開始直後に特別な運賃割引を設けることで、スマートフォンの利用促進を図る。

なお今回のAI運行バスは、京急中央交通が有料運行し、京急線の駅や京浜急行バスのバス停付近への乗降ポイントの設置による基幹交通とのスムーズな接続も実現。また、決済手段として、公共交通で広く利用されている交通系ICカードの利用も期間途中から開始する予定だ。

《纐纈敏也@DAYS》

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