アストンマーティン、初のSUV『DBX』のプリプロダクションモデル発表へ…グッドウッド2019

ドライビングシミュレーターで開発期間を短縮

開発テストは世界の厳しい環境が舞台

正式デビューは2019年秋から冬

アストンマーティン DBX のプリプロダクションモデル
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アストンマーティンは7月1日、英国で7月4日に開幕する「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード2019」において、ブランド初のSUVとして開発中の『DBX』(Aston Martin DBX)のプリプロダクションモデルを初公開すると発表した。

アストンマーティン初のSUVは2015年春、ジュネーブモーターショー2015に出品された『DBXコンセプト』の市販版となる。DBXコンセプトはアストンマーティンが近い将来、高級GTカーセグメント参入の可能性を探る目的で開発したコンセプトカーだ。

ドライビングシミュレーターで開発期間を短縮

DBXは、アストンマーティンにとって初めてのSUVモデルになる。そのため、開発にあたっては専用のテストプログラムを導入した。このプログラムには、SUVモデルの多用途性を反映した新しいプロセス、手順、基準が含まれている。

DBXの開発の初期段階では、さまざまなシミュレーションが実施された。すでに、最初のプロトタイプ車が、英国ウェールズでテスト走行に取り組んでいる。このテスト走行によって、シミュレーションの結果を現実の世界へ移行させる作業が開始された。DBXの開発では、ドライビングシミュレーターを使用して、さまざまな調整を行った。これによって、最初のプロトタイプを製作する前に、開発を大幅に前進させることが可能になったという。

開発テストは世界の厳しい環境が舞台

DBXのプロトタイプは、雪と氷に覆われた北極圏、中東の灼熱の砂漠、アルプス山脈のワイディングロード、ドイツのアウトバーンやニュルブルクリンク北コースの超高速コースなど、世界中の最も過酷な環境でテストが実施されている。

DBXは、アストンマーティンならではの力強くバランスの取れたパフォーマンスを目指している。そのダイナミックなボディには、従来のスポーツカーラインナップの範囲を超えた多用途性を反映させる。アストンマーティンによると、DBXはあらゆる路面に対応可能な高い走破性と、力強い牽引力を追求するという。

正式デビューは2019年秋から冬

グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード2019で初公開される予定のDBXのプリプロダクションモデルは、英国ウェールズ州セントアサンに完成したアストンマーティンの新工場の第一号車としてラインオフした1台だ。

アストンマーティンのセントアサン新工場は、英国の国防省の所有地だった3つのスーパーハンガー(格納庫)を改築して建設された。アストンマーティンはセントアサンの新工場を、電動化の中核拠点に位置付けている。

新工場では2021年から、「ラゴンダ」ブランドのEVを生産する計画を掲げている。ラゴンダブランドのEVは、ジュネーブモーターショー2018で初公開された『ラゴンダ・ビジョン・コンセプト』の市販版だ。ラゴンダは世界初のゼロエミッションの高級車ブランドを目指しており、ラゴンダ・ビジョン・コンセプトの市販化で、その目標達成の第一歩とする。

なお、アストンマーティンDBXは2019年第4四半期(10~12月)、正式発表される予定だ。2020年の前半から、セントアサン新工場において、DBXの量産を開始する計画となっている。

《森脇稔》

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