ZFは4月23日、日本市場向けに電動トラックのプロトタイプを開発した、と発表した。
このプロトタイプ車両は、日本市場で広く使われている車両総重量5トンのトラックに、ZFの電動セントラルドライブの「セトラックス・ライト(CeTrax lite)」を搭載し、完全電動化したもの。この車両はドイツ本社と連携しながら、ZFの日本のエンジニアリングチームによって開発され、日本固有のニーズに対応する。
セトラックス・ライトは、すでに量産されているZFの乗用車用電動ドライブをベースに開発された車両総重量7.5トンまでの小型商用車向け電動ドライブだ。モーター、インバーター、減速機、冷却システムの一体設計によって、総重量は20kgと小型・軽量化を実現している。
モーターは、最大出力204hp、最大トルク38.7kgmを発生する。このクラスの内燃機関ユニットと同等の走行性能を確保するとともに、局所的ゼロエミッションや低騒音などを両立させた。
ZFによると、密集した住宅街にあるコンビニエンスストアへの早朝・深夜の配送や、自動販売機への商品補充、近距離宅配などにおける頻繁なストップ&ゴーの繰り返しなどに、セトラックス・ライトの走行性能、静粛性と高効率モーターの採用によるエネルギー効率の高さが貢献するという。
また、セトラックス・ライトは、ZFの「プラグ&ドライブ」コンセプトにより、既存のエンジン搭載モデルのシャシーやアクスルなどに大きな変更を加えることなく、完全電動車両への変更を可能にする。すでに量産されているZFの乗用車用電動ドライブをベースに開発されているため、信頼性の確保と低コスト化が図られている、としている。