GLCクーペは、メルセデスベンツの主力SUV、『GLC』の派生車種だ。上級SUVの『GLE』に、『GLEクーペ』が設定されるのと同様、GLCにもクーペボディが用意されている。GLCクーペのボディサイズは、全長4730mm、全高1600mm、ホイールベース2870mm。車台を共用するGLCに対して、全長は約80mm長く、全高は約40mm低い。2870mmのホイールベースは共通。後部ピラーが寝かされたクーペボディが特徴で、スポーティさとエレガントさが表現されている。
メルセデスベンツは、このGLCクーペの改良新型を欧州で発表した。GLCクーペは2016年春、米国で開催されたニューヨークモーターショー2016で初公開。デビューから3年を経て、初の本格改良を受けている。
◆内外装を変更。バンパーやライトが新デザインに
外観は、デイタイムランニングライト付きのLEDハイパフォーマンスヘッドランプを標準装備した。リアには、フルLEDテールランプを採用。エグゾーストを組み込んだリアバンパーやクロームスキッドプレートも新しい。ホイールも新デザインだ。ダイヤモンドパターンのフロントグリルやフロントバンパーも新デザインになる。

◆ボイスコントロールは「ハイ メルセデス」で起動。フルデジタルコクピットも導入
改良新型GLCクーペには、対話型のインフォテインメントシステム、「MBUX」(メルセデス・ベンツ・ユーザー・エクスペリエンス)を採用する。その最大の特長のひとつが、人工知能(AI)による学習機能で、特定のユーザーに適応する個別対応能力を備えている。
さらに、12.3インチのメーターパネルと10.25インチのタッチパネルディスプレイで構成されるフルデジタルコックピットや、自然対話式音声認識機能を備えたボイスコントロールを導入する。ボイスコントロールは、「ハイ メルセデス」と呼びかけることで起動する。

改良新型GLCクーペには、最新の先進運転支援システムを採用する。出口警告機能、渋滞末尾機能などによって強化された。360度カメラは、車両周囲の視認性を高めている
◆48Vマイルドハイブリッドシステムを2.0リットルガソリンターボに組み合わせる
新開発の2.0リットル直列4気筒ガソリンターボエンジンには、マイルドハイブリッドを組み合わせた。ベルトを介してクランクシャフトと接続されるスターターとジェネレーターを兼ねるモーター、「BSG」(ベルトドリブン・スターター・ジェネレーター)を採用する。48Vの電気システムも導入され、回生ブレーキなどにより発電した48Vの電気を、蓄電容量1kWhのリチウムイオンバッテリーに蓄える。このバッテリーの電力が、必要な際に最大出力14hp、最大トルク16.3kgmのモーターを回して、エンジンのパワーをアシストする。

この48Vマイルドハイブリッドシステムは、欧州仕様では「GLC 200 4MATIC」と「GLC 300 4MATIC」の2グレードに搭載する。スペックは、GLC 200 4MATICが最大出力197hp、最大トルク32.6kgm。GLC 300 4MATICが、最大出力258hp、最大トルク37.7kgmを発生する。