2018年のパリモーターショーで大きなブースを展開していたポルシェ。その目玉のひとつが、ショーの開幕と同時に量産化を明らかにした991型の『911スピードスター』だ。
「911GT3」のシャシーをベースにしたオープンボディは、2つのコブを持つ伝統的なリアカバーで独自の姿を創出。もちろん装備類を省いた軽量化が施され、標準仕様にはエアコンも組み込まれていない。
搭載するエンジンは自然吸気の最高出力500psでレブリミットが9000回転という超高回転型。トランスミッションは6速MTだ。
さてそんな911スピードスターだが、実車を目にして感じたのは細部へのこだわりだ。たとえばドアミラーは標準の911では見かけないクラシカルな砲弾型だし、懐かしいつながりでいえばリヤフェンダーの前には930型「911ターボ」のような黒い保護シートが張られている。いっぽうでヘッドライトも、『918ハイブリッド』などハイエンドモデルやレーシングカーの「919ハイブリッド」のような4灯式で、これも現在市販している911には採用がないアイテムだ。
そして、驚きはボンネットフードの中央に設けられた給油口。まるでレーシングカーである。
今回の仕様はあくまで「コンセプト」であり、それらのディテールがどこまで市販仕様に反映されるかはわからない。しかし、間違いないのはどれもポルシェファンを喜ばせる演出だという事だ。ポルシェは、クルマ好きの心をくすぐるのが上手だとつくづく思う。