テンセントが仕掛ける新興EVがついに公道デビュー…北京モーターショー2018

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NIO『ES8』。北京市内のNIOディーラーにて。
  • NIO『ES8』。北京市内のNIOディーラーにて。
  • NIO『ES8』。北京市内のNIOディーラーにて。
  • NIO『ES8』。北京市内のNIOディーラーにて。
  • NIO『ES8』。北京市内のNIOディーラーにて。エアサスを採用する。
  • NIO『ES8』。北京市内のNIOディーラーにて。3分でのバッテリー交換にも対応している
  • NIOのプレスカンファレンスに登場した創業者でチェアマンのウィリアム・リー氏
  • NIOのプレスカンファレンスにおいて、ES8の6シーター版が紹介された
  • NIOブースに展示されたインテリアコンセプトのNIO『eve』

今回の北京モーターショーでは、既存の大手自動車メーカーとは出自を異にする新興メーカーがいくつも出展し、ひとつの潮流となっていた。そのなかでもトップランナーといえる「NIO」は、中国ITジャイアントの一角である「テンセント」が出資していることでも知られ、そのほかにもバイドゥ、京東(大手ECサイト)、セコイア、レノボなどが資本参加しているとされる。

NIOは派手なプロモーション活動で知られるところとなったブランドでもある。フォーミュラEへの参戦や、ニュルブルクリンクでの記録樹立(同社のスポーツカー『ES9』によるもの)などだ。

いっぽう実態を伴ったビジネスとしても、同社の量産SUV『ES8』7シーター版の納車がついに今年5月から開始されることが表明された。

さらに今回のショーでは、ES8の6シーター版(キャプテンシート仕様)の年内予約開始と、2019年上半期の納車を発表した。加えて、ES8の公道試乗会の開始をアナウンスした。モーターショー直後の4月29日の上海を皮切りに、中国全土をキャラバンする。

ES8のスペックは、航続距離はNEDC基準で335km、60キロ定速走行では500km。0-100キロ加速は4.4秒。価格は約45万元(約780万円)から。これに加えて、中央政府と北京政府により、72400元(約125万円)ほどの補助金が支給される。フル装備で10万元高いグレードもあるが、限定 1万台分は予約で完売とのことだ。

面白いのは充電方法で、通常のプラグインの充電のほか、電池を丸ごと交換する方法も公表されている。現実味のない話のように聞こえるが、他メーカーではあるが、すでに北京汽車が同様の方法でEVステーションを運用しており、中国国内においてはすでに実績がある。

ES8は、莫大な資金力と巨大市場、中国政府の政策によって誕生したEVだ。これまで現実味がないといわれてきたブランドだが、ついに今月から公道を走り始めることになる。
5月16日開催【北京モーターショー報告と中国のEV、自動運転セミナー】

《佐藤耕一》

日本自動車ジャーナリスト協会会員 佐藤耕一

自動車メディアの副編集長として活動したのち、IT企業にて自動車メーカー・サプライヤー向けのビジネス開発を経験し、のち独立。EV・電動車やCASE領域を中心に活動中。日本自動車ジャーナリスト協会会員

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