UDトラックス「風神雷神」ビジョン---2030年までに商用トラックの完全EV化・完全自動運転を

自動車 ビジネス 企業動向

Fujin & Raijin - ビジョン2030
  • Fujin & Raijin - ビジョン2030
  • Fujin & Raijin - ビジョン2030
  • Fujin & Raijin - ビジョン2030
  • UDトラックス代表取締役会長 ヨアキム・ローゼンバーグ氏
  • 1+3台の隊列走行を実現する
  • 中型トラックもEV化の時代
  • EVクオンは2025年?
  • UDトラックス 開発部門統括責任者 ダグラス・ナカノ氏
UDトラックスは23日、2030年に向けた大型トラックのEV車両、完全自動運転をめざす「Fujin & Raijin(風神雷神)- ビジョン2030」を発表した。風神は物流の象徴として自動運転を、雷神はエネルギーの象徴として電動化を意味する。

中型以上のEVトラックについては、ダイムラーおよびボルボトラックスがすでにそれぞれのロードマップを発表している。ダイムラーは2021年に『eアクトロス』を、ボルボトラックスは2019年に中型EVトラック(『FL』のEVと予想されている)を量産体制のもと市場投入準備を進めている。ダイムラーグループの三菱ふそうは小型トラック『eキャンター』の市販を開始している。

トラック業界にもEV化や自動運転の波が訪れようとしているが、今回の発表は、UDトラックスが『クオン』のEV車両と自動運転車両の発売を、事実上公表したことになる。UDトラックスを含むボルボトラックスグループでは、次世代車両のキーテクノロジーとしてAutonomous(自動運転)、Connecitivity(コネクテッド)、E(Electornic Vehicle)の3つ=「ACE」を掲げている。

UDトラックスは、この3つのテクノロジーを投入したACE車両を2030年までに量産体制を整え、市販を開始するという。同社 代表取締役会長 ヨアキム・ローゼンバーグ氏は、おおまかなロードマップとして、まず公道での隊列走行実験(4台)と中型電動トラックの実験を行うとしている。走行デモは2018年中に予定されており、2019年にはこれらの実験が始まる。2020年代中に実用化のめどをつけ2030年までに量産を確立する計画だ。実験車両や最終的な製品としての車両については、現段階では明言を避けたが、クオンのEV化、自動運転化であると見ていいだろう。

EVや自動運転に関する技術は、すでにハイブリッドバス、EVバス、自動運転トラックなどを開発しているボルボトラックスが持っている。ボルボトラックスグループは、すでにCAST(Common Arichitecture and Shared Technology)フレームワークによって、ルノートラック、マックトラック、UDトラックス、ボルボトラックスらがプラットフォームや開発技術を共通化・共有している。グループの技術交換が次世代車両の開発を促進させる考えだ。

クオンにはすでに電子制御トランスミッションや各種ADAS装備、車両管理のコネクテッド機能も搭載されている。ボルボトラックスは完全電子制御ステアリングシステムや電動大型車両のノウハウも豊富だ。ACE車両開発に必要な要素技術に不安はないとする(ローゼンバーグ会長)。

自動運転は完全自動運転を目指すとするが、まずは隊列走行を実現し、工場内や港湾施設など限定エリアでの自動運転につなげる。電動化へのステップについては、ユーザーや市場の状況をみながらハイブリッド、100%EVを段階的に展開していくとする(開発部門統括責任者 ダグラス・ナカノ氏)。

詳細ロードマップや戦略については、「まだ公表できない」と明言を避けた形だ。その理由については、グループとして必要な技術はほぼ持っており、パートナー戦略をたてているため、詳細スケジュールを決めてトレースするより、技術革新や法律、社会受容をみながら、機動的な戦略を優先させるからだという(ナカノ氏)。例えばバッテリーはリチウムイオンが柱となるが、全固体電池も必要ならパートナー戦略の視野には入っているとする。

商用バン、小型トラックと、EVは乗用車以外にも浸透し始めている。中型トラックのEVも思ったより早く公道を走る日がくるかもしれない。
《中尾真二》

編集部おすすめのニュース

特集