男カワサキなんてもう時代遅れ…!? ブラック・エレガンスをテーマに五感に訴える

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カワサキ BLACK ELEGANCE レセプションパーティ マーチエキュート神田万世橋内の新ショールーム
  • カワサキ BLACK ELEGANCE レセプションパーティ マーチエキュート神田万世橋内の新ショールーム
  • カワサキ BLACK ELEGANCE レセプションパーティ
  • マーチエキュート神田万世橋内の新ショールーム
  • ブランドのパートナーアーティスト『I Don’t Like Mondays.』
  • マーチエキュート神田万世橋内の新ショールーム
  • カワサキ BLACK ELEGANCE レセプションパーティ
  • 川崎重工業株式会社 技術開発本部 技術研究所 機械システム研究部の田中薫子さん
  • カワサキ BLACK ELEGANCE レセプションパーティ

「男カワサキ」などと言われるが、カワサキのオートバイは女性たちにもよく似合う。カワサキはたしかに武骨で硬派なイメージがある。ただしそれは、決して男だけが好むものではないのだ。

カワサキモータースジャパンは22日、マーチエキュート神田万世橋(東京都千代田区)内の新ショールームで新型『ニンジャ250』と『ニンジャ400』の発売を記念し、女性向けのライフスタイル「BLACK ELEGANCE(ブラック・エレガンス)」を提案したレセプションパーティを報道陣を集めて開催した。

由緒ある赤レンガ造りの歴史ある空間に光の演出がされ、黒をモチーフとしたバイクやアパレルがまるでブティックかのようにオシャレすぎるくらいに並んでいる。

「男なら黙ってカワサキ」と、70年代前半のカワサキ車を四半世紀以上に渡って愛車にする筆者としては、いつからカワサキはこんなにもオシャレになったんだって戸惑うと同時に、「いいぞカワサキ! かっこいいぞ」と、なぜだか自分のことのように嬉しくなってきてしまう。

ブランドのパートナーアーティスト『I Don’t Like Mondays.』の音楽ライブも始まり、クラブにでもいるかのようなムードのなか、『Z900RS』や『Z900RS CAFE』もあるし、1984年発売の『GPZ900R NINJA』(前後16インチ時代のA1!!)や『Z1000ポリス』の展示もあるから、筆者はそっちにも大興奮。女性向けとわかって、自分のようなコアユーザーには居場所がないかと思ったが、見応え充分なものであった。

お酒やライトミールをいただき、心地良い音楽に体を揺らしつつボンヤリ思うのは、こんな空間ならバイクに興味のない家族や友人を連れてきたいという考え。これまでのバイクイベントやショップは、やっぱりバイクが好きではないとつまらなかったから、結局はライダーだけのスペースとなってきた印象が否めない。

ショールーム開催期間中はアーティストのミニライブや、コラボブランドとのワークショップなども定期的に開催し、3月10日にはチェロ奏者『セロの詩人 青月泰山』によるライブコンサートを予定している。カワサキの旧車も入れ替え展示していくから、バイク好きももちろん必見なのだ。

●カワサキは五感で楽しむ空間を提供する

レセプションパーティの冒頭で、川崎重工業株式会社 常務取締役 モーターサイクル&エンジンカンパニー プレジデント、太田和男氏はこう述べた。

「このカワサキショールーム、マーチエキュート神田万世橋は1月13日に開店してから早くも1カ月半が経ち、カワサキファンはもとよりバイクに興味のある方、ファッションやライフスタイルに興味のある方などじつに沢山の方々に来場いただいて、非常に盛況なスタートを切っております」(太田氏)

「さて、モーターサイクル&エンジンカンパニーというモーターサイクルを製造・販売する会社の中で、カワサキモータースジャパンはマザーセールスカンパニーとして世界に先駆けた挑戦をおこなっています。川崎重工は“かわる先”へとして、世の中の変化のさらにその先へ行ける会社になるという思いがあります」(太田氏)

「日本における販売においては、“カワサキプラザ”というブランドショップを展開し、安心、安全、おもてなし、新しい店舗環境などその取り込みはまったく独創的なものであり、感性工学を駆使してさまざまな店舗環境をマッチングさせ、五感で楽しむ空間を提供しています」(太田氏)

「今回のこのショールームでも同じコンセプトに基づいて空間作りをし、さらにライフスタイルの提案を行い、バイクに乗っているときも、乗っていないときも楽しめる世界を発信していきたいと考えています」(太田氏)

「今回は新型ニンジャ250、ニンジャ400をモデル役として、女性にも楽しんでいただける世界観を演出しました」(太田氏)

●若い世代は自身の価値観を大事にしている

株式会社カワサキモータースジャパン営業統括部 販売戦略部長 谷敏明氏は、こう言う。

「カワサキといえばライムグリーンがありますが、それ以外でカワサキによく似合うブランドイメージにピッタリな色といえば黒です。これをモチーフにして、女性に向けたカワサキのアパレルコレクション“ブラック・エレガンス”というのを提案させていただきました」(谷氏)

「自社の調査で、10~20歳代の方の価値観を調べたところ、自身の価値観をとても大事にされていて、感動的で個性的でカッコよくて、さらに上質感まで求められています。こういう若い方々の心を揺さぶって、新しいお客様を私たちは招き入れたいと考えております」(谷氏)

そのためのおもてなしの空間が、全国に展開中の販売店カワサキプラザであり、今回のショールームだ。

「若い人に人気の250や400を中心に、驚き、発見、感動のある、Z900RSとはまた違う魅力のブラックでかつエレガントな世界を提案したいと思っています。ブラックで、アグレッシブさとエレガントが融合した世界を光とともに演出しました」(谷氏)

「これはブランドショップと同じ五感で楽しむ空間です。見る、聞く、薫る、音楽もありカフェもある、そういう素晴らしい空間を我々の独自のノウハウでどんどんつくりあげています」(谷氏)

●空間もバイクづくりも感性工学を用いて

カワサキとともに、そんな取り組みをしてきたのが金沢大学の芸術工学博士、山田真司教授だ。

「(プラザ店の)内装、外観、音楽チャンネル、コーヒーの薫り、五感で楽しむものをなんでもかんでも感性工学の手法を用いてつくってきました。高級感があって躍動感がある、そういうカワサキのイメージに合わせて、どっかが飛び出したりしてチグハグになったりせず統一感をもたせてやりました」(山田氏)

「カワサキさん、無茶なことをしますよね。バイク売らないで、ライフスタイルの提案だけですよ、ココ。こういう無茶なことが面白くてどんどん引き込まれましてね」(山田氏)

山田教授は、マフラーの音やバイクのスタイルも五感に訴えかけるよう感性工学を用いて研究している。

そして、川崎重工業株式会社 技術開発本部 技術研究所 機械システム研究部の田中薫子さんにも、今回のブラック・エレガンスへの思いをうかがった。

「私はヨーロッパ、アメリカ、アジア、日本でライフスタイルを調査しました。バイクに乗ったことがある人もない人も、年齢を問わず沢山の方にお会いしてインタビューし、わかったのが、バイクっていうのはもうファッションなんだってことです。いろいろな使われ方をしますが、カッコよくといけないというのが全世界共通で言えることなんですね」(田中氏)

田中さんももちろん根っからのカワサキ乗りだ。ZZR1200で北海道から沖縄まで走り、ジムカーナやトライアルで腕を磨く。女性への提案となると、花柄であったり赤やピンクというのが定番で、今回のような黒を強調するのは珍しい。

「調査した人たちの意見を反映して、こういった空間ができています」(田中氏)

黒のニンジャと、カワサキのレディースアパレル 2018年春夏アイテムたち。たしかに若い世代の五感を刺激するに違いない。男も女も関係ない、カワサキはカッコイイぞ!

《青木タカオ》

モーターサイクルジャーナリスト 青木タカオ

バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク関連著書もある。

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